第7話 図書室の秘密

この学校はどうなってるんだろう

芙蓉だけでなく、北欧美人のミーナさんもサキュバスだった

実は魔族と交流をする為の学校だったりして


僕はそんな考えは妄想だと思い忘れようとする

でも、良く考えるとうちのクラスにいるミーシャも白人とのハーフのボッ・キュン・ボンなスタイルでいかにもサキュバスって感じだしね


そんな事を考えていたらいつの間にか午後の授業は終わっていた

さて、帰宅部の僕は帰りますか

そう思って気が付いた


帰れないじゃん

今日から僕は芙蓉の家に住むことになったんだけど、芙蓉の家の場所なんて分からないし


そう思っていたらスマホに芙蓉からのメッセージが入っていた

芙蓉の部活が終わるまで僕はどこかで暇を潰して待っていろとの事だ

芙蓉がいないと帰れないからしょうがないよね

僕は図書室で時間を潰すことにした


そう言えばこの学校の図書室に行くのは初めてだ

それでも入学の時のオリエンテーションで案内はされているので迷わずに図書室に着く事ができたよ


そして入った図書室は思いの外大きな図書室だった

そして不思議なことに内階段があって二階建てになっている


「おかしいな、ここって最上階じゃなかったけ」


僕がボソっと呟くと、図書委員の腕章をつけた女性が話しかけてくる


「あら、あなた二階が判るのね

それなら二階に行ってみるといいわよ

きっと、あなたの役に立つ本が見つかるはずだから」


「あの、貴方は図書委員ですか」


「そうよ、3年生の冬野よ」


僕に話しかけてきたのは3年の先輩だった

そう言えば上履きの色が赤だわ

それに気づけば3年生って分かったわ


「ありがとうございます、せっかくのお勧めですから2階の本を見てみます」


僕は冬野さんにお礼を言って2階へと続く階段を上がる

すると何故か冬野さんも付いてくる


「ねえ、そう言えば貴方の名前は何て言うのかしら」


そう言えば冬野さんが自己紹介してくれたのに自分は名乗りもしなかったわ


「申し訳ありません、僕は1年の山田太一です」


「ふ〜ん、太一くんね、君ってどう見ても人族だよね

なんで2階が見えるのかな」


冬野先輩って不思議な事を言いますね


「冬野先輩だって人族だし、2階が見えていますよね

同じじゃないですか」


「そうか、太一くんはそう思うんだね」


いや、他の思い方なんてないでしょう


「さて、ここ図書室の2階は認められた人しか入れないんだよ

だから、太一くんもここの存在は公言しないで欲しいんだ」


「ここって秘密なんですか

でも、誰でも登れる階段の先にあるし、鍵とかも掛かってないですよね」


「ああ、本当に君は人族なんだね」


そう言うと冬野先輩は僕をじいっと見つめます


「この繋がりは

凄いね君は、人族の癖に従魔を持ってるんだ

だから、ここが判ったんだね」


いや、僕に使い魔がいる事が判る冬野先輩の方が凄いと思いますけど


「冬野先輩、なんで僕に使い魔が居るって判ったんですか」


「だって図書室の2階は普通の人族には見えないのよ

でも、貴方は人族のくせに2階に上がる階段に気が付いた

それっておかしいのよ

だからじっくりと貴方を観察したの

そうしたら貴方と従魔を繋ぐ魔力の紐が見えたのよね」


うん、これは決定だ、冬野先輩は魔族だね


「今のお話からすると冬野先輩もサキュバスなんですか」


僕がそう言ったら冬野さんの周りの温度が急激に下がった気がした

そう思うほど冬野先輩が僕を見る目は寒々としている


「太一くんは私を淫乱女って思ってるんだ」


うわ〜、これは地雷を踏んだよね


「スイマセン、僕の使い魔がクラスメートでサキュバスなので同じ学校にいる冬野先輩もサキュバスじゃないかと思ってしまいました

決して、先輩が淫乱だとか、先輩がエロいだとか、大きなおっぱいがエッチだとか、そんな事は思ってません」


あれ、僕は焦って余計な事まで言った気がする

これは墓穴を掘ったんじゃないだろうか


「ふ〜ん、太一くんは私のおっぱいが気になるんだ」


何故か先輩の顔が少し赤らんで、さっきまで寒かった空気も和らいでいる


「スイマセン、失言です、忘れて下さい」


失言に焦る僕の目の前で、何故か冬野先輩は自分の両手で両胸を持ち上げて感触を確認している


「えへへへ、大きなおっぱいか」


冬野先輩がチョロインになってる

僕は持ち上がって大きさが強調された冬野先輩のおっぱいに目が釘付けになる


「本当に太一の目はイヤらしいね、そんなに私のこの大きなおっぱいが好きなのかい」


「はっ、はい、両手で冬野先輩の大きなおっぱいを掴んでモニュモニュしたいくらいに好きです」


「あははは、流石にそれはダメだね

そんな事を認めるほど太一とはまだ親しくないしね

でも、私の一族は着物が普段着なのさ

だから胸は小さい方が尊ばれるんだ

だから昔からこの大きなおっぱいをバカにされてたんだ

だから、この大きなおっぱいに夢中になる太一の目は嫌いじゃないんだ」


冬野先輩、それって親しくなればモニュモニュさせてくれるって事ですか


「おっと、そろそろ戻らないとサボってるって怒られてしまうね

そうそうさっきも言った通り、図書室の2階はそこに必要な本がある者しか入れないんだよ

太一が2階にこれたって事は2階に必要な本があるって事なんだ

しっかりとその本を探して読む事だね」


そう言って、冬野先輩は階段を降りていく

僕は冬野先輩の助言に従って開架式書架の間を本を探して歩き回る事にした


「こんなにイッパイの本の中から必要な本なんて見つからないよ」


思わず独り言が出てしまう

でも、僕は必要な本を見つける事ができたんだ

正確には本が僕を呼んでいた


背表紙が光る本があったのだ

その本を僕は手に取ってみる


『正しい使い魔の召喚とその扱い方』


その本の題名だ

確かに僕はこの本を読む必要がある

僕はその本を手に取ると近くの席に座る事にした


ヘェ〜、使い魔でこんな事が出来るんだ

目から鱗だね

これは良い事を知る事ができたな

そしてやり方は

ふ〜ん、結構簡単じゃん

これは試さないといけないな


僕が本から得た知識でワクワクしているとスマホが振動する

芙蓉の部活が終わったようだ

さっさと校門に来いって

待たせておいて態度がデカいよね


しょうがない、行くとしますか

僕は本を書架に戻すと校門へと向かうのだった






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