第13話 それは突然やってきた。


「湊さんはこんなところでなにを?」


「やることもなくて暇だったから

なんとなく外出て歩いてたらここに来たんだよ!」


笑顔で湊さんはそう言った。


えーなにそれ俺と全くもって一緒じゃんか、

今日の運はここで使いきるパターンじゃんか。


でも湊さんって休日とか友達と遊んだり

しないのかな。


「湊さんって休日友達と一緒にどこか

行ったりしないの?」


「よく行くけど、今日はそういう気分

ではなかったんだよね。」


気分で友達と遊びに行けるか行けないかが、

決まるとかやばいなそれ。


「ここにはよく来てるの?」


俺はそう問いながらも湊さんの横に

腰かけた。


「あ、うん!実はよく来てて、

ここでは華斗君みたいに知り合いとここで

よく会うんだよね。」


湊さんが来る日とか把握したら

偶然を装って会いに行きたくなるな。


「次いつ来るの?」


こうやって聞けたらいいんだけど。


「え、ええっと次!?」


「え、あ」


やべ、喋っちまった。


「来週の日曜日かな。」


「実は俺やることなくてさ、

湊さんがよければまた話さない?」


「喜んで話すよ!!」


「えっとじゃあこれでっ」


「また明日学校でね〜」


湊さんは笑顔で去っていった。

やはり笑顔がとても似合う子である。


帰るかあ、俺もそろそろ...。


「おい、お前ちょっと待てよ」


「...」


「無視すんじゃねえ!!」


「えっと、俺?」


「そうだよてめえだよ。」


「えっとなに?」


「湊は俺の彼女だから手出すなよ。」


「え」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る