第10話 後輩は面倒くさい
今日は土曜、休日だ。
今日も明日も休みという解放感はすごい。
ああ良い天気でなんて清々しいんだ...。
はあ、そろそろ現実を見なきゃいけないか。
現実とは1件のLINEのことである。
その1件のLINEの内容はこうだ。
「先輩、配信していたんですね。」
はあ、朝から結構やばいぞ?
この内容は...。
まずこいつは確定で勇翔の妹の冷(れい)だ。
俺のことを先輩と親しげに呼ぶのは、
こいつ以外には有り得ないんだ。
何故お前は俺のLINE持ってんだよ。
んまあ、問題なのは配信のことだよ。
なんでバレてんだよ...。
まさか湊さんがバラしたなんてことは無いよな。
有り得ないかそれは。
よし一旦白を切ることにしよう。
「なんのことだ?俺が?配信者?」
「あの声と喋り方は先輩以外にいませんよ!」
「はあ、ちょっと待て俺とお前はLINE交換してたか?俺はそんな覚えは無いんだけど。」
「こないだ先輩が少し留守にしてる間に、
QR保存しといたんですよお」
「やばいな、お前のことが怖くてたまらないよ。」
「いやあ、すいません!いきなり来たら
驚くと思ってドッキリ感覚でLINE送ってみました。」
「ああ、驚いたよ、まぢ怖えもん。」
スマホのパスワード変えとかなくちゃな。
「んで!先輩は配信してたんですね!」
「なんで知ってんだよ。」
「最近流行ってる「植物の海」の配信で、
すごい人の数の配信があったから行ってみたら
先輩の声で先輩の喋り方だったんですよ!」
「お前以外とそういうの観るのか...。」
「先輩配信なんてしてるの意外ですよ。」
「しかも結構人気っぽいし!」
「あ、お前これは隠してるから言うなよ?」
「先輩と私の秘密ですよ〜!」
「てか思ったけどお前、俺の個人情報
知ってるし、行動は当てるしで割とマジで
恐怖を感じるぞ。」
「まあまあ!先輩と私の仲じゃないですか!」
「お前の兄とは仲良しだぞ。」
「お前の兄ともでしょ?」
「兄をついでみたいに言うなよ。」
「じゃあ今から先輩の家行きますね!」
「ものすごい唐突だな、おい!」
「暇なんですよ〜」
「俺は休日をのんびり過ごすから
お前と遊んでるような暇はない。」
「後輩とのんびりしましょう!」
「出来ないだろそれ...。」
朝から面倒くさい遊びの誘いをされた。
多分あいつ無理矢理にでも来るな...。
インターホンが鳴った。
速すぎだろ...。
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