第2話 秘密と事実

「えっと…配信者?なんのこと?」


「とぼけても無駄です貴方の声でわかります。」


ど、どういうことだ。確かに俺は配信者だ。だが、俺の声はなるべくバレないように気を使っていたのに。


完璧に隠してきたはずなのに...。


「そうですよね?華斗さん。」


「バレたなら仕方ないか、そうだよ配信者だ。」


「やっぱりっ」


物凄い笑顔で「やっぱりっ」という姿が可愛すぎるぞ…。クールな彼女のレアシーンだ。


「湊さんはもしかして俺のリスナーさん?」


「リスナーですが、私は友達のように思ってます。」


ん?友達?湊さんのような友人がネットに居たっけ…?


「と、友達??」


「はいっ、私毎回コメントしてますよっ」


「えっと、毎回コメントしてくれる人

結構いるからな...。」


「私は初配信からのファンですよっ」


初配信と言えば...。

悩みとか愚痴の相談で凸待ちしてたな。

(凸待ち=電話待ち)

いや、初配信は2年前だぞ!?

そんときから毎回来てくれてたのか?

でも待てよ?初配信?初配信からずっと?


「奏さんしか...奏、湊さん、湊」


「そうですっ!私っ、奏です!」


「湊さんが奏…さん?チャンネル登録者90万人の?」


「は、はい!」


んんんん?ま、マジで?湊さんがあの奏さん?

配信してる時と現実とで全く違うじゃん!こりゃ気づけないわ。


「いま配信してる時と全く違うとか思いました?」


「い、いや別に?」


「あはは、顔に出てますよ。華斗さんだって配信の時!特に昨日なんか...///」


「いや、ちょっと!やめよ!!奏さんっ!」


「現実に私みたいな人が居たら付き合いたいだなんて…でも現実の私こんなんですよ?それでもそう思いますか...?」


いつもクールで超塩対応な彼女、でも俺は知っている、こんなにも彼女が可愛いということを。

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