超高スぺオタクが学校を不可抗力で成り上がるまで

@jinkouhihou

第1話 きっかけ

ただの偶然だった。


新しいライトノベルが出たという事で最寄りの本屋へ向かっていた時だった。




「おいコラ餓鬼ィ!テメェのせいで俺のズボンが汚れちまったじゃねえか!」


「どう弁償してくれるんだ!?」


「ごっ、ごめんなさい!」




小さな子供が不良どもに詰め寄られているところが見えた。


馬鹿な奴がいるもんだなと、思いつつ子供を助けるか俺は迷っていた。


俺こと柊誠ひいらぎまことはみんなに隠している事がある。




実は戦いにおいての実力は高校生の域を逸脱していることだ。ラノベでいうところの俺TUEEEEEEである。小さな頃からの祖父の影響であらゆる武術を学んできた。剣術や柔道、空手、合気道、護身術、弓道他多数と数えるならきりがない。


その結果俺に勝てるのは祖父以外いなくなってしまった。俺TUEEEEEEというか祖父TUEEEEEEである。


武術以外にも隠していることはあるが今日は一旦ここまでとしよう。閑話休題。




と、言ったところで身体能力には一家言ある訳だが学校では学校では内緒にしている。何故かって?


別に能ある鷹は爪を隠すっていう訳ではない。人間にとって未知数の力は恐ろしいものだ。すぐ排除対象になってしまう。高校という場において個の力では群の力には遠く及ばない。SNSもあるしな。


ならばどうするか?まぎれるに限る。目立つのはだるいしめんどくさいしな。




と、いう事で今子供を助けるかどうか迷っている。ここは学校から近いため学校の奴らにばれてしまう可能性が高い。助けたいのは山々だがどうするか?と、考えていると野次馬の中から一人の少女が抜け出し子供の前へと出た。




「その子も謝ているのですから、許してあげください!年下の子にそんなにキレて恥ずかしくないのですか!?」




その少女の顔を見て飛び出さなくてよかったと」思った。なぜなら彼女に見覚えがあったからだ。


彼女の名前は彩条彩香さいじょうあやか、俺が通っている青華高等学校一の美少女であり俺のクラスメイトだ。青華の華、何て呼ばれていたりする。




容姿端麗、才色兼備、文武両道の三つを備えており、そのことを鼻にかけておらず誰にも平等にな


優しいことからあらゆる所で引っ張りだこ、告白も二桁は軽く超えている。


彼女の性格からして恐らく俺のことも把握しているだろう。しかし彼女が出たならよっぽどの馬鹿でもない限り大丈夫だろう。それなりの野次馬もいるしな。と、思いその場を離れようとしたときだった。




「ああん?なんだテメェは?なんか文句でもあんのか?ってなかなかかわいい顔してるじゃねえか、そうだ、テメェが相手がしてくれるなら許してやってもいいぜ。」


「そりゃいい考えだ!」


「何を言って!?お断りします!」




不幸なことに不良どもはとても馬鹿だったようだ。




「断れると思ってるのか?こんな餓鬼の為に出てきたのは間違いだったな!」


「クッ!離しなさい!」




さすがの彩条も複数人相手では厳しいようで連れていかれそうになっている。周りの野次馬はスマホで動画や写真を撮るだけで助けようとしない。


はあ、こうなっては仕方ない。俺の出番のようだ。はあ、明日からどうなってしまうのだろう?明日のことを考えると憂鬱だ。だが見捨てるよりは断然ましだ。




「そこらへんにしておけアホども、周りが見えんのか?」


「んだテメェ?いきなりしゃしゃり出てんじゃねえ!かっこつけか?」


「え?柊・・君?」




案の定彼女は俺のことを知っていたようである。致し方ない。




「周りを見ろと言っている。この状況ぐらい把握できるだろう?」


「ごちゃごちゃとうるせえ!チョーシこいてんじゃねえ!」




相当な阿呆だった様で殴りかかろうとしてきた。ので




ドスッ!




かわして思いっきり地面にたたきつけてやった。




「ガッ!」


「「「「な!」」」」




リーダー格がたたきつけられたことに彩香も含めて残りの不良どもが驚く。




「こいつみたくりたくなかったらコイツ担いでとっとと失せな。早く失せないとSNSに無様さらされるぞ。まあ、もう遅いとは思うがな。」


「くそがっ!」


「キャッ!」




不良どもは彩香を放り出して逃げ出していった。今後の俺の学生生活に影響するかはわからんがまあ、


取り敢えず一件落着だな。


そう思いふけっていると彩香がこちらへ向かってきた。




「柊君で合ってますよね?私はクラスメイトの彩条彩香と言います。この度は助けていただきありがとうございました!」


「柊で合ってるよ彩条さん、俺は当然のことをしただけだから気にしないでいいよ。っと、もうこんな時間か、行きたいところもあるし俺はこの辺で、じゃあね。」


「待って下さい!お礼をさせて下さい!」


「気にしないでいいよ。じゃあね。」




これ以上ここにとどまる理由もないのでとんずらこくことにした。彼女に背を向けて歩いていくとうしろから、




「お兄ちゃん助けてくれてありがとー!」


「今度お礼させてくださいねー!」




と聞こえてきた。


彩条さんたちのの声をバックに、俺は来週の学校のことを考え、憂鬱になりながらも最寄りの本屋へと向かって歩いて行った。














ちなみに目的の本は無事買えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

超高スぺオタクが学校を不可抗力で成り上がるまで @jinkouhihou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ