第14話 ライカの悔恨 その三

私は、ノアに見限られてから丸一日眠っていた。

それから三日間ほとんど何もできなかった。

食欲もなく、ゆっくり眠ることもできません。食べては吐くときもありました。

ノアとの日々が頭の中を走馬灯のようにグルグル巡っていきます。

キッチンを見れば、ノアと一緒に作ったご馳走を思い出し、扉の方を見れば、ノアが修行から帰ってきて、ただいま。と、言う姿を思い出します。

私は失って初めて本当に大切な存在に気がつきました。


「もしボクとライカがBランクの冒険者になったら結婚したいね!」


そう言っていた事が今になって鮮明に蘇ってきます。きっと失う前は大切な存在は当たり前で、大事な事も当たり前になってしまっていたのかな。このままノアと一緒なら結婚する。それが当たり前になってしまった。だからオッズさんを家に・・・。

今のこの家はもう二人の家じゃなくなってしまった。思い出の中でしか二人の家にならない。

ノアはもう帰ってきてくれない。私はノアの事をこんなにも好きなんだ・・・。


「ごめんなさいノア。ごめんなさい・・・」


私は泣きながら謝罪することしかできない。この私しかいない空間で、誰にも届かず響くだけ。


「誰か私を助けて・・・」


都合がいいのはわかっています。


「もう一度・・・」


裏切ってしまった事は消えない、でも。


「ノアの横に立ちたいよ・・・」


自業自得、それでも。


「ノアと一緒に生きたい!」


もう二度と裏切らない。だから私にもう一度ノアと一緒に。

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