アドミニストレーター(NO.79)についての報告書
アドミニストレーターNO.79(滅失)
名 称:<石のような物体>
タイプ:定形無機非生物・非自発的行動型(要検証)
危険度:小~極大(恣意的な運用をした場合、大規模災害級の被害が予想される)
特徴:外見はかんらん岩に酷似した石。十センチ程度で角がなく、いびつな球形をしている(別紙1)。
<石のような物体>(以下、当該アドミとする)は先述の通り、外見的にはただの石にしか見えず、他のそれと相違点を見出すことは難しい。しかし、当該アドミに触れた生物(人間に限らない。犬についてはその効力を確認済。また、一部の昆虫に対しては効力を発揮しないことも確認)に対し、強力な誘引効果を発揮する。ほんのわずかでも生物の皮膚に当該アドミ接触させた場合、その生物は必ず当該アドミの虜となり、当該アドミに対して異常な執着を発揮し続ける(効果時間については要検証だが、対象数については四以上の複数の生物に対して同時に効果を発揮することは検証済)。実際に起こった例として、当該アドミに触れて虜となった三人組のグループから当該アドミを奪いとり隠したところ、その三人は当該アドミを隠したのは相手に違いない、と根拠もなく決めつけ、口論し、最終的には殺し合いへと発展した事例がある(『緑市一家惨殺事件』を参照)。
当該アドミの強度については通常の橄欖岩と同程度であり、橄欖岩を破砕するために必要な道具を用いれば容易に破砕することが可能(別紙2参照)。ただし、二以上に破砕した場合、それぞれが一であるときと同様の誘引効果を持つ。他のアドミに見られるようにこの当該アドミについても完全な破壊は困難であり約四日(正確には約九十四時間二十八分)で他のアドミと同様の再生を確認。
当該アドミは基本的には非自発的行動型だが、触れていないときはいずれかの方向に動き続ける。原因や動く方向について調査したところ、いくつかの要因(別紙3:第一項を参照)から、当該アドミに触れたことのある一次接触者に向かって動き出すと推察される。複数の一次接触者が居た場合の挙動については検証が必要だが、最も近距離にいる一次接触者に向かっていく可能性が高い。
同時に、一次接触者は当該アドミに誘引されるだけではなく、距離が離れていても、存在する大まかな方角と距離を察知する能力を得る(別紙3:第二項『一次接触者との会話及び接触記録』参照)。
この二つの特徴から当該アドミを本部、または類似した機密性の高い場所に保管すること、また、いずれかの地球上の場所に廃棄することは困難であると判断。当該アドミはJAEXAが打ち上げた火星探査機搭載ロケット「RS-2」に積み込み、火星へと廃棄した(万が一当該アドミが地球に戻ってくる能力を有していた場合の対処法については要検討)。
編集者:葉山総司(〇〇〇〇年〇月〇〇日)
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