第4話 転生5日目 石鹸を作ろうとしたらなんかめちゃくちゃ怪しまれた件
頼んでおいた油が届いた。
なんとなく予想してたけど高級品らしい。というか高級品。なかなか質の良い物は大量にはとれなさそう。うーん、大量生産はどうしたものか。
後、貝殻をめちゃめちゃ高温で焼いておいてもらったやつ。
石灰岩でもよかったんだけど、説明したらなんか薬師がめんどくさそうな顔だったし、どうやら王様が貝が好きらしくてそのゴミでちゃっかりもらえた。
ああ、そういえば薬師のやつの名前はアレックスって言うらしい。
「なあアレックス、お前ちゃんと腕保護しろよ。確かこれスゲー熱くなるからな。」
すり鉢に砕いた貝殻を入れている間に、手にそれっぽく布を巻いてもらう。
ゴム手袋なんて物はここにない。
「んで、このすりつぶしたのに水を加えて、それでできた上澄みと油を混ぜればいいんだな?」
「ああ、とりあえず口も覆っとけ。吸い込んで何かあったらシャレにならねえからな。」
「なんかすごい不思議な感じだな。」
「ああ、そうか。普段は魔法でちょっちょって感じで調合してるんだもんな。」
ごりごり削りながら軽口をたたく。
貝殻の粉に水を入れたときに一気に熱くなってやばいかと思ったけど、冷めた上澄みも、油を混ぜたときもそれっぽくなってたから多分大丈夫だろ。
「これで完全に固まれば完成なんだな。」
「ああ、うまくいってくれよ、頼む。」
それっぽく作った木枠に流しいれて、なんとなく日陰に置いておく。
気が付けば昼を過ぎていた。
「腹減ったな。」
「じゃあ俺の行きつけの店に行くか?魚の塩焼きがめちゃくちゃうまいぞ。」
「お、いいな。」
僕はアレックスに連れられて、城からほど近い彼の行きつけの飯屋に行くことにした。
「これは……ニジマス、なのか?」
「おお!よく知ってるな!これの塩焼きがめちゃくちゃうまいんだよ。大将、塩焼き二つ!」
「あ、ぼ、僕の分は内臓抜いて塩多めに振ってよく焼きにしてください!」
あ、ヤバ、せっかく誘ってもらったのにいきなり自分の好みに注文しちゃまずかったかな。
「お前、内臓苦手なのか?あのちょっと苦いのがうまいのに。ま、でも好き好きだがな。」
きょとんと純粋に疑問に思われた。ギリセーフラインらしい。
ちょっと食中毒とか鮮度とか気になったけど、塩焼きはめちゃくちゃうまかった。
ニジマス釣りは確か公園にもあったよな。養殖でこれもいいたんぱく源かもしれん。うま。
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