第4話
男は私たちより先に結婚していたようだ。妻と男は最初の頃は恥ずかしいほどにお互いに対する想いを手紙にぶつけている。
しかし、年数が経つにつれて、それはトーンダウンしていく。それが顕著なのは、手紙のやりとりを開始してから七年後、男に二人目の子供である娘ができてからだ。
妻はここで完全に男を諦めたのだろう。
妻と男がどうして一緒になれなかったのかはわからない。妻と出会ったときに男は結婚していたのかもしれないし、十四歳という年の差が障害になったのかもしれない。
この点は、手紙を読み解いても、最後までわからなかった。
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