第2話
二人に子供はいなかった。できなかったのだ。でも、私たちは仲が良かった。ほんとに。
それでも、女は残酷だ。治は今は少し、薫のことを恨んでいる。
一人になり、治は施設に入ろうと思った。共働きだったので、貯金はある。自分が妻のような亡くなり方をすれば、周囲の人間に迷惑をかけてしまう。
老人ホームは、いずれ薫と一緒に入ろうと決めていたところがあるので、リサーチの必要はなかった。
半年後にホームに入居しようと決め、治は家の整理をはじめた。マンションは持ち家なので、処分するつもりだ。治は自分の荷物を片付けると、妻の荷物を整理しはじめた。
そして、妻宛ての大量の手紙を発見した。それはある男と妻の長い長いやりとりの成果物だった。
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