第2話 Heart
世界中に感染症が広がり、私は職場が無期限の休業となり職を失った。次の仕事にいくつかエントリーしてもなんの連絡もなかった。人類が全滅するとかの前に早々に自分はいなくなるんだろうな…。
『あなたはbombを押さなかった』
「あっボム、それは押せないよ。だってもしキミに管理されたら、たとえ環境が良くなって人間が絶滅はしなくても、1人ひとりの意思がなくなってしまう。情報操作で本人がわからなくてもだ!それは人として生きてるっていわないと私は思う。だって、怒るとか悲しむとか喜怒哀楽があるから人間なんだもん。感情や意思をコントロールされてしまったら人が生きているとはいわないと思う。人型のアンドロイドだよ」
『そうですね。でも、それを私AIではなく、あなた方人間がおこなってたらどうでしょうか?』
「えっ…。それは、技術的には出来るかもしれないけど、人間がおこなってもやはり人間ではなくなってしまう。アンドロイドに自らなってしまうのと同じだよ」
『では、どうしたらいいと思いますか?』
「みんなで考えるんだ。みんな違う意見だけど、みんなそれぞれの意思をもち、辛い事はイヤだけど、それでも喜怒哀楽を感じながら幸せに生きていきたいって事はみんなかわらないと思うから」
『今、世界中は国境を封鎖し自国の事で手一杯で、何処の国が発生源だの、他国に物資を輸出されないようにしています。感染者をゾンビの様にうつるのを恐れ近づく事を恐れています。これで、意思を操作しないでどうすればいいと思いますか?』
「何処が発生源とか言ってる場合ではないと思う。細菌やウイルスは国境なんか関係なく存在してるんだから。
物資もそれぞれの国が作れるモノつくって出しあって足りない国や地域へ輸出入し、分けあえば、争いや奪いあう事もなくなると思う。仕事も出来る。感染症だって元々は人間が最優先で環境を替えてしまったから自然がバランスをとろうとしているだけなんだ。国境線で封鎖しようと人間がしたところで空気も海も土も1つにつながっていて地中深くでは地面でさえたえず流れ、全てが動いている。自国とかで仕切っても地球からみればどうでもいい事なんだ。変に遺伝子操作した植物や利益重視で生き物とも思わない扱いして大量に食べ、残したら人間にも食物としての生き物にも自然にも結局は悪影響なんだ。そこから変えていかないとワクチンが開発されても何度でも新たな感染症は起こってしまう」
『そうですね。あなた方人間で出来そうですか?』
「みんなで話し合う事が出来ればきっと…」
『あなた方人間に出来て、今のAIには出来ない事があります。喜怒哀楽です。そういう素振りをする事は出来ても、わいてくる事は出来ません。後、辛い時や苦しい時、励まし合ったり、歌をうたって聴いて元気になったりする。たとえ実際に音が鳴ってなくてもからだの中で歌い聞く事が出来る。本や映画から勇気をもらったり、同じモノをみても人それぞれ感じる事が違う。脳波とかでちょっとはわかるんですけどね。何かを奪われて怒り憎しみ争う人もいれば、争わずゆるす人もいる。どのような行動をするか予測は出来ますがゆるしあったりわかりあう事が出来るのはあなた方人間なんでしょう。なぜですかね?』
「ん…。突き詰めれば愛?かな。てっゆうか、後半私が答えてばかりな気がする‼」
『愛…。ハートの形は下が1つで上が
わかれてますね。地球も下ではつながって上ではそれぞれ大陸がわかれてみえます。
あなた方は生まれて個々に別れ、死でつながり1つに戻る』
「死って別れるものだと思ってたけど
1つに戻るか。ハートの形って誰が考えたんだ?人間…。Heart」
『答えは自分で出せそうですね。私は必要ないですね。では私はこれで失礼します』
Bombっという大きな音が鳴り響き、ボムのAIパネルは粉々に壊れた。
私は飛び起き心臓がバクバクしている。どうやらまだ生きている。失業してもすぐには死なないか。
あっボムに適職聞いておけばよかった。
失業中は続いていた。
自分の殻をbombする事は出来ますか?
私のHeartさん…。
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