第2話 円琳音

名前 円琳音(まどか りんね)


年齢 十五歳(推定)


誕生日 四月二日(推定)


身長 一六五センチ


体重 四一キロ


所属 日本海洋大学附属中学校通信課程 三年


出身地 大阪府大阪市都島区


特技 英語、スウェーデン語、翻訳(実際に販売されるレベル)、口を使った性技


好きなもの 加藤真夏の全て、近江舞子の写真、思い出、柚木先生、チョコレート、セボリーニャ


嫌いなもの 両親、カウンセリング、KUNGAR、SNSの書き込み、香澄さんの怒った顔


概要:真中が雨の日に出会った美少年。初めて彼の顔を見た時、彼女は琳音を女の子だと勘違いしていた。「人形のように美しい」とネットや町でも評判の美しさで、一時期体を売っていた相手が複数存在する。十二歳の時に駅前の産婦人科医であるまどか夫婦に引き取られたが彼らを信じたことは一度もなく、家にも寄り付くことはない。代わりに播磨さん夫婦を兄弟のように思っており、よく泊めてもらう。

 引きこもりで、一応通信制の中学校に在籍していることにはなっているが、真面目に勉強したことはない。だが真中と出会ったことで、少しずつ復習や予習をして真中の高校でいえば高校二年生レベルの勉強をしている。(真中が通う予定の高校は偏差値57)


 捻くれていて、人間臭い性格だがずぶ濡れになって自分の跡をつけていた真中と一緒に雨宿りしたり、お金がなくて自分のように体を売っていたシングルマザーに三万円を渡して「今月の足しにしろ」と言った優しいところがある。


 インデル症候群の患者で、『レッテ』と呼ばれるが本人はそう言われることをあまり気にしていない。生い立ちがレッテであることを拒絶しているのとは相反して。


 だが自分の過去について語られると涙を流し、崩れて突っ伏してしまうくらいにはトラウマを持っている。


 そもそも幼い頃は都島区のマンションで育てられており、カーテンや仕切りで日光がささない部屋で幼い頃から育てられていた。父には女の子の格好をさせられ、風呂でフェラチオをさせられたり、下半身を舐められたり性的虐待を受けていた。そこを助けようとしてくれたシッターの大学生、柚木藍ゆぎらんに初めてトーマスを見せてもらったことがきっかけで、鉄道に乗ることが夢になる。だが性的虐待を知って父にキレた柚木は黙り金を持たされクビになった。


 それからまもなく四月二日の未明、ヘイトクライムで父を目の前で殺され、自身も左目をえぐり取られた。この時に戸籍がないことが判明し、同時に父の戸籍も故人のものが使われていたことが知られる。搬送された病院の担当医が老齢で、昭和の歌手で女優だった桜野みゆきから取って桜野琳音とした。


 作者視点から見れば台湾の歌手、楊丞琳(レイニー・ヤン)から一文字いただいて、『輪廻転生』とかけて琳音と名付けた。


 退院後、送られた施設ではレッテ社会にはこびる『血縁の罪』という考えから、KUNGARの幹部だった父やその愛人だった亡き母についての悪口をよく言われ、殴られ蹴られは当たり前。食事をもらえない時もあった。この時期に首元に数字のスカリフィケーションを彫られている。一言でいうなら『ケロイドを使った刺青』


 施設摘発後に送られた『ひかりの家』では後にアイドルとして人気になる露木拳都つゆきけんとと同じ部屋になり、彼に頼まれて無理矢理傷を顔につけさせられる。


 四年生の時、柚木藍が担任教師として通っていた小学校に赴任。親しくなって孤児院がある山を降りた海岸や山に遊びに行き、初めてりんご飴の美味しさを知る。


 だがKUNGARの幹部直々に「検体にする」と言われ、柚木先生と一緒に日本中を逃げ回る。翌年の春あたりから逃走資金が尽き始め、薬が買えなくなったので柚木の血を代わりにいただくが今度は柚木が病にかかり、最終地である近江舞子では昼に柚木の介護を、夜に湖水浴場で空を眺めていた。そんな八月一日に一つ年上の加藤真夏と出会い、恋人になる。だが地元のチンピラに犯され、リンチされ八月十五日にこの恋は終わった。


 真夏の通報によって柚木は逮捕されるが、その時に刑事が柚木を車椅子に乗せて病院まで送った。それ以降、四年間二人には会えなかったが、真中の尽力があって真夏と再会することができた。


 十三歳の頃から翻訳や売春などで自活の道を探っていたが、自分のことを話すと客たちには売春を止めるよう言われる。それが続くがとある客に病気を移してしまい止めることに。それ以降、自分が柚木やその客にしたことで罪悪感に見舞われ摂食障害を患い、二千円でお惣菜を買っては無理に食べ、吐いてしまう日常を送った上に真夏に会えない日が続くのに嫌気がさして死に場所を探しに家出してしまうこともあった。


 そのため、定期的にお小遣いを没収されて逃げられないようになっている。それでも逃げ場所を探し、真夏を思ってオナニーする時も泣き声を殺してシコって賢者タイムで「汚い」と自分を思っていた。今は真中のおかげで真夏とも再会できて、自分を受け入れることができるようになりつつある。


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