二人目の被害者②

相変わらず仕事ではストレスが溜まり、家に帰ってきてソファーで仕事の愚痴を叫び、美容家電で癒される日々を送っていた。

今日もいつも通り、仕事から帰ってきてシャワーを浴びて、美顔器で癒されながら郵便物を確認していると、差出人不明な上、消印も押されていない不気味な封筒があることに気付いた。


「何だろう、この封筒。怖いな。」

そう思いながら、封筒を外側から確認する限りは刃物などが入っている感触は無かったので、恐る恐る封筒を開けた。

中に入っていたのは、私のお風呂上がりの様子や美顔器でリラックスしている姿、眠っている私に誰かが覆い被さる様子、シャワー終わりに身体を拭いている全裸での写真などを収めた写真が何枚か入っていた。


「なにこれ?え?誰かがこの部屋に入ってきたってこと?まだ、何か入っている。」

写真の他に一枚の手紙が入っていた。手紙には、

『この写真を会社にばら撒かれたく無かったら、明日の午前9時までに地図にあるコインロッカーの中に現金30万円を持ってこい。現金を入れた後は、ロッカーの鍵は掛けずにおけ。もしも、警察に通報したら、この取引は無かった事になることを忘れないように。』

と書かれていた。


「どうしよう。明日の9時までに30万円って。しかも、このロッカーって私の会社の最寄駅のロッカーだ。ってことは、会社がバレているってこと?え?どうしよう?警察に相談してもバレるって事は、この部屋に盗聴器があるってこと?既に監視されているってこと?」


あまりの出来事に私は頭がパニックになり、最終的には何も考えることすら出来なくなっていた。結局、何一つ対策も打てず、朝を迎えてしまった。


「約束の時間まで後2時間しかない。お金を渡すしかもう方法は無いか。」

私はメイクもせず、できる限りの変装をして、普段会社に着て行く服装とは違う洋服で部屋を後にした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る