3月31日  日方眞弓

なによあの男?!

孫かなんか?久瀬さんにあんないかつい孫いたの知らなかったわ。


私はいかつい男に追い返され部屋に戻ってきた。

愛流はテレビを間近で見てる。



私も数分同じようにテレビを眺めた。


今日はだめだ。なにもやる気しない。



「ピンポーン」


誰よー?


穴から除くと下の部屋の赤羽とか言うばあさんが立っていた。

とりあえず開ける。

『あのすみませんけど、愛流ちゃんいらっしゃいます?』


赤羽ばあさんはいきなり捲し立てた。


『いますけど、なんですか?』


『ちょっと気になっちゃって。昨晩すごい音しませんでした?!』


すごい音?なになに?まさか虐待疑ってんの?

いやいやいや勘弁してよ。


確かに太一くんは来るとよく愛流殴ってるけど。

昨日は来てないし。


『え?なんかの間違いでしょう?』


『いえいえ、ちょっとね。なんかよく痣もお作りじゃないですか?愛流ちゃん。』


うるせえなー、この婆さん。目ぇ良すぎだろ。


痣くらい勘弁してよ。大丈夫だよ骨は逝ってねえよ。

多分。


『そんなすごい音してたならお隣さんも聞こえてたんじゃないですか?』

私は言ってみた。


『でも久瀬さんはお歳ですからねえ?』


『なんかさっき行ったら若い男の人いましたよ?』



って言ったら赤羽ばあさん、え?みたいな顔して久瀬さんちに行っちゃった。


まじ忙しないなあのばあさん。 


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