3月31日 伊関晋也
着いちゃったー。
あぁ、気が重い。
怒ってるかな?怒ってるよなあ。
事件にするとか言い出したらどうしよ。
殺すしかねーかな?
いやいや。それはやりすぎだよな。
第一捕まったとしても、まだ金下ろしてねえし。
てか今日利用料貰わなきゃいけねーんだった。それもタイミング悪いなー。
とりあえず誠心誠意謝ろう!よし!
「ピンポーン」
勇気を出してインターホンを押した。
すみませーん、お迎えにあがりましたー。ゆりのきデイサービスですー。』
反応ねえな。まだ寝てるのかな?
いや久瀬さん起きるのめちゃ早いからなぁ。
「ピンポーン」もう一度。
がちゃ
『…うぃす。』
あれ?誰このいかつい男。
『あれ?あ、おはようございます。あの…久瀬さん…』
『ああはい、久瀬ですけども。』
『あのー、お迎えに上がったんですけども…』
『ちょっとねぇ、今日は休むっつってるんすわ。申し訳ないけど。』
休む?え?なんでなんで?
『え?どこか体調が?』
『んー、ちょっとわかんないんだけどねー。ごめんねぇ来てもらって。』
いやー、まずいなぁ。
出切れば今日カードも返しちゃいたかったなぁ。
『すみませんが、ご家族の方で?』
『いや、家族………ではないね。ちょっとそのー、あれ関係で。』
なんだ?あれ関係ってなんだ?急に歯切れ悪くなったけど。
『ちょっとそのー…あれよ…婆さんの兄弟の…孫?みたいな…』
なんか変だなこの人の言うこと。
でも待てよ。この人カードの件知らなそうだな。
とりあえずこの人にカード渡しちゃお。
『そうですか。ではすみませんが、これだけお渡し願えますか?』
いかつい男にカードを渡した。
『ん?なにこれ?キャッシュカード?』
『はい、ええ、まあちょっとお預かりしてまして…』
その時背後から声がして心臓が止まりかけた。
『ちょっとすみません!久瀬さんいます!?』
なんだこのババア?!
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