誰のもの?
井上 流想
1話完結
一匹の小熊が言いました。
「山は誰のもの?」
太陽は答えました。
「誰のものでもないよ」
小熊は言いました。
「人間のものだと思ったけど違うんだね」
イルカが言いました。
「海は誰のもの?」
太陽は答えました。
「誰のものでもないよ」
イルカは言いました。
「人間のものなんだろうな~って思ってたよ」
渡り鳥が言いました。
「空は誰のもの?」
太陽は答えました。
「誰のものでもないよ」
渡り鳥は言いました。
「てっきり人間のものだと思ったよ」
ミミズが言いました。
「地下は誰のもの?」
太陽が言いました。
「誰のものでもないよ」
ミミズは言いました。
「人間のものだと思い込んでたよ〜」
猫が言いました。
「地球は誰のもの?」
太陽が答えました。
「誰のものでもないよ」
猫は言いました。
「人間のものみたいにみえるよな〜」
男の子が言いました。
「命って誰のもの?」
太陽が答えました。
「誰のものでもないよ」
「誰のものでもないの?!」
「君のものでも、ご両親のものでもない。
誰のものでもないから大事に扱わなきゃいけないよ」
「どういうこと〜?」
「自分のものだと思うと勝手になる、
他人のものだと思うともっと勝手になる。
私たちは借りているんだよ。
借りてるものは大事に正しく扱わなきゃね。」
太陽は優しく微笑みました。
誰のもの? 井上 流想 @inoue-rousseau
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます