良純の上司、タフな交渉を行う
そうして、千堂アリシアが安藤家で団欒に浸っている間にも、良純らは、アルビオンの担当者らと面会、
「
的に攻めこまれつつも、良純の上司は、
「それを検証するためにもこうして現物を確認しにきたのです」
怯むことなく応じた。このように、タフな交渉事にも立ち向かえる人材でないと責任ある立場には就けない。ただただ時間が経ったからといって勤務年数が増えたからといって自動的に上のポストに就けるわけではないのだ。何しろ、単に内部の業務を管理するだけならAIでもできてしまう。最低限、<人間相手に人間として対等に交渉ができる人材>でなければ、それが必要とされるポストに据える必要がないのは事実なのだから。
ひたすらいいものだけを作っていれば世界に認められた時代は遥か過去のものである。
今回、
かと言って『自分達に非はない!』と断定してしまうと実際に非があったことが判明するとそれこそ信用は地に落ちる。どこに原因があるのか問題があったのか判明するまでの対応が、その後の流れを決めると言っても過言ではないだろう。
事実、初期対応を誤り結果として損失を大きくしたという事例は、無数にあったはずだ。
先例から学ばず同じ過ちを何度も繰り替えす者も確かにいるものの、同時に、先例から教訓を得て同じ失敗を繰り返さないようにする者もいるからこそ、何度もの危機を乗り越えて人間は今なお繁栄を続けていられるはずだ。
<上に立つ能力がない者>にもしっかりと生きる道はある。身の程をわきまえる方が無理なく生きられる。<個人商店>のような形で起業して、のんびりと自分のペースで仕事をすればいい。
安藤桃香には、管理者としての才覚はないかもしれないが、美味しいパンを作る才覚はある。それを活かせばいいだけだし、それができる社会である。
だからこそ、能力がある者はその能力を活かすことができる。
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