亜美、提案する
『断る!』
医師の派遣を要請する
「な…なんなんですか、今のは……? え? 意味が分からない……!」
ベッドに横になりながら問い掛けるニーナに、
「ああ……彼は昔っから頑固なところがある子でね。しかも親族が<AI・ロボット排斥>を訴える連中が起こしたテロで亡くなってて、そういうこともあってナーバスになってるんだよ。悪い子じゃないんだ……悪い子じゃ……」
自身の胸を押さえながらそう呟く。そこに、
「先生、大動脈解離の兆候が見られます。一刻を争う事態です。緊急オペが望まれます」
通信が切れたことにより元の穏やかな表情に戻った久美が、タブレットでデータを示しながら告げる。
幸い、ごく初期のそれであり、大動脈解離の際によく言われる、
<胸の中で爆弾でも爆発したかのような痛み>
まではなかったものの、
「はは……私は元々、血管に障害があって大動脈解離のリスクが高いと言われてたんだけど、それを何とかここまで騙し騙しやってきたけど、いよいよ年貢の納め時ってことかね……」
自嘲気味に笑みを浮かべながらそう告げた。けれどそんな
「ちょっと! 何言ってるんですか先生! 先生はこの村にいてくれなきゃ困る大事な人なんですよ!? 私の赤ちゃんも先生に取り上げてもらわなきゃ困るんです! そんなこと言わないでください!」
強く言葉を発した。すると、
「現在、
と提案してきた。
医師の手配が難しいとなれば、緊急時の対応として、メイトギアには限定的ながら医療行為を行うことが認められている。それだけの機能は与えられているのだ。遠隔地医療の一環として、医師が、僻地に配備されたメイトギアを操って手術などを行うこともある。それができるだけの機能を有しているということだ。
ただし、実際にそれを行うのはこの場合は<久美>ということになり、亜美もいるもののやはり物理的に手が足りなくなる可能性があるため、そこでたまたま
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