千堂アリシア、姿勢を正す
いよいよ
千堂アリシアとしての体の方も、椅子に座ったまま姿勢を正す。
と言っても、やはり肉体を持つ人間と違って、体はロボットである彼女はずっと同じ姿勢を続けていても疲れないのでほとんど崩れていなかったが。
まあ、
『人間ならばそうする』
というのをつい再現してしまっただけだろう。
そんな彼女がコントロールしている
これ以上近付くとそれができなくなるというギリギリの位置である。
ロボット潜水艇の船体に掴まっている
<水流>と言うよりは、もはや水が機体表面をゴリゴリと削ろうとでもしているかのような流れを感じ、アリシアは、
『まさかこれほどとは……』
と思った。
しかし、ここはまだロボット潜水艇で近付ける位置。本来は漁礁として設置されたらしい構造物によってさらに狭められた<水路>の流れはこれをはるかに上回る。
はっきり言って
だから、ロボット潜水艇から伸ばされたワイヤーで接近。構造物に掴まることができれば後は
他の二チームについては、カルキノス02と同様のコンセプトで作られた六肢の探査ロボット三機を連結させて、計十八肢でもって一つのマニピュレータにかかる負担を減らしつつ、
ただし、万が一流されて他のチームを巻き込まないように、それぞれ別のルートを辿って接近する。
他の二チームは、流れの影響が比較的少ないものの距離があるルートを辿って。
さすがにプロだけあって、慎重かつ確実に近付いていく。
一方、
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