ジョン・牧紫栗、警察に保護される
「なんだこら、俺は地球人だぞ! 火星人なんかが触るんじゃねえ!」
警備のレイバーギアが駆けつけてでさえ止らなかったことでとうとう警察までが駆けつける騒ぎになり、しかし当のジョン・
警察官を突き飛ばした件については十分に<公務執行妨害>に当たるものであったものの、それが適用されるかどうかはこの後の本人の態度次第だろう。
なお、<都市としての
<都市としての
さらに、地球にも火星出身者が<国会議員>として選出され、派遣されている。
なので、限りなく<国>に近くても現在の
そもそも、火星はそれ自体がひとつの<国家>であるとされ、政府も存在しているし、そちらにも
ゆえに、火星に存在するそれぞれの都市は、移民した人々のコミュニティという一面も、今も残されていた。
そんな中で、ジョン・牧紫栗は、社会に対して適応障害を起こしていると言えるだろう。
他人は彼に対して、
『さっさと地球に帰ればいいのに』
と言うかもしれないが、人間というのはそんなに単純でないこともまた事実。ましてや、
そして今回の件も、地球から遠く離れた火星にいる、すでに成人した者のしたことなので、敢えて地球にいる家族に知らされることもない。
知らせたところで身元を引き受けさせるために火星まで呼びつけるわけにもいかないからだ。
警察署で事情を聞かれているうちに酔いが冷めた牧紫栗は、取り敢えず反省しているフリをできる程度には頭も冷えて、形ばかりの謝罪をしただけではあったもののその日のうちに釈放されたのだった。
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