2020年3月31日(火) 宅配ボックスの謎

 昨日は気分が落ち着かず、うまく寝つけなかった。仕事部屋の布団にくるまったまま、ヘヴンズフィール・ミミクリーを叩き続けていたら、午前三時になっていた。おかげでQPは山ほど貯まったが、スペースイシュタルのスキルレベルを全部マックスにしたら一瞬でなくなった。

 諸行無常だ。


▼午前八時ごろ 起床

 起床。今日もニュースは新型コロナ一色。


 疲労とストレスで睡眠の質が落ちているからか、頭がうまく回らない。頭と体が重いので、花粉症かもと思ったが、よく考えたら家の周りには、杉の木なんて一本も生えてない。


 洗濯を済ませる。汚れ物が溜まっているし、昨日の探索で使ったジャージも洗っておきたかった。未知の病原菌とかいるかもしれないし。

 洗濯機を回しながら仕事の返信や進捗確認。


 ここ数日、ソシャゲのキャラシナリオの仕事を振っているライターと連絡がつかない。

 そいつはアイデアも筆力もある若者なのだが、メンタルが乱高下するため、ときどきこういうことが起こる。

 そろそろこっちで仕事を巻き取るかどうかの決断を下さないといけないのだが、頭が痛くて判断するのが億劫だ。

 締め切りは三日後。交渉すれば、たぶん二日は延ばせる。さてどうするか。


 斡旋会社を経由せず、私個人で受けている仕事なので、巻き取るとすれば自分で書かなければいけない。

 ほかのライターの友人に頼んでも良いんだが、いまからキャラ資料を読み込んでもらい、締め切りに間に合うように書いてもらうとしたら特急料金だ。頼む量によっては足が出る。

 やっぱり自分でやるしかない。


 若者よ。飛ぶのは良いんだが、飛ぶときには飛ぶと言ってくれ。

 土壇場で連絡つかなくなるのが一番困るのだ。


 洗濯機が止まったので、洗濯物を干そうと思ったのだが、よく考えたら外は熱帯雨林だった。おまけに猿もいる。

 部屋干しするしかないのか……。


▼午前十時ごろ 朝食

 朝食は、じゃがいもとベーコンの炒め物。

 じゃがいもは山ほど買い置きがあるのだが、外に植えたら育たないかな……? どうだろう。猿が荒らすだろうか。


 そんなことを考えていたら、外から猿の鳴き声がした。何か興奮している様子だ。凶暴なやつめ。

 あいつのことは「夜叉猿」と呼ぶことにした。


▼午後十三時ごろ 仕事

 連絡雑務。

 先日作ったソシャゲのイベント案(ざっくり)に、開発からフィードバックが来ていた。

 大筋OK、微調整は必要とのこと。調整はすぐできそうだったので、さくっと直して打ち返す。

 新人のプランナーから「まだ桜のシーズンなのに、水着イベントの案を考えるのって変な気分ですよね」との返信あり。

 同意を返しつつ、「俺の家の外は南の島みたいになってますよ」と書き添えそうになり、思いとどまった。


▼午後三時ごろ 異変

 Amazonから荷物が届いた。


 猿の声がしなくなったので、外の様子を見てみようと玄関まで出ていったら、「ゴトン」と物音がする。しばらく聞き耳を立てて様子を窺ったが、ほかの音はなし。

 おそるおそる玄関のドアを開け、周囲を見回すが、何もなし。


 物音は宅配ボックスのあたりから聞こえた気がする。

 もしかしたら、何かの拍子に、生き物か何かが宅配ボックスに入ってしまったのかもしれない。

 鍵と軍手を取りに戻り、そっと宅配ボックスを開けて見ると、中には見慣れたAmazonの段ボールが入っていた。


 どういうことだろう?

 いつも通りの過剰包装を引っぺがし、中身を見れば、三日ほど前にマケプレで注文した資料本だった。

 講談社学術文庫の『旧約聖書外典』上下巻に、大修館書店の『煉丹術の世界ー不老不死への道』。確かに自分が注文したものだ。

 もしかして、二日前に届いていたのか……? いや、計算が合わない。

 iPhoneでAmazonの配達記録を見ると、配達日は今日になっていた。


 なぜここにAmazonの配達物が届く? おかしい。


 考えるようとしていたら頭が痛くなったので、試しにいまからAmazonに本を注文することにした。今度は新品で、在庫ありの本を買ってみよう。Amazonプライム特権のお急ぎ便なら、配達日を明日に指定できる。


 注文するのは、ベア・グリルス『究極のサバイバルテクニック』。以前に図書館で借りて読んだが、良い本だった。


 資料が来たので、ウェブメディアで働いている友人から頼まれていたコラムの原稿を少し書いた。ソシャゲのキャラの元ネタを解説する記事である。ギャラは安い。


▼午後六時ごろ

 これから「文芸協力」の名目で参加しているコンシューマーゲームの定例会議。

 会議が長引きそうなので、今日の日記はおしまい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る