4月4日 休日の朝

 父親がこんこんとノックをし、「おはよう!」とだけ残して一階へと降りて行った。

 なんて元気なんだろうと起こされた私は呆れつつもまた眠ることにした。

 父親が再び「おはよう」とだけ言い、弟の部屋へも「おはよう!」と言っているのが聞こえた。

 一体彼はどうなっているのだろうか。もしかしたら今日の朝ごはんは特別なのかもしれない。

 起きるか、と少し布団を捲り携帯電話を点ける。LINEに来ている連絡に返事をし、そのままニュースアカウントのページを開く。「3,000超」という文字が目に入った。ああ、そうか。日本もとうとう来てしまった。

 2か月ほど1000人にも満たない感染者数が続いていたというのに。これだと来週末には10,000人に上るのだろう。ロックダウンへのカウントダウン、というわけなのだろう。

 私はそう考えながら昨日さくじつのことを思い出していた。昨日、バイトの帰りに100均に寄り、レインコートを買う予定だった。だが夜8時を回っていたためどこも店が閉まっていたのだ。休日の今日は臨時休業。

 このままだと家で看病するための用意をしないままにその機会が訪れてしまうかもしれない。マスク一枚で看病するのは不安が残る。

 朝はいつも通りパンを食べた。家族4人揃っていた。今日は土曜日だ。

 そして昨日買ったワッフルを焼く。前回買おうとしたときにちょうど売り切れてしまい、買えなかったものだ。チン、とオーブントースターが鳴る。

 ワッフルはふんわりと美味しかった。

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