第3話 レースゲームとみたらし団子

「なぁなぎさ、アレ動くのか?」

「ん? あぁテレビゲームね。多分動くよ」


 折羽おりはと一緒に朝ごはんを食べた後、明日行く遊園地の雑誌をパラパラめくっていた。そして、ある程度明日の予定を決めると彼女はテレビゲームに興味を示す。


「一緒にやろうぜ!」

「ふっふーん。いいの折羽、僕は強いよ?」

「誰に言ってんだか、私はゲーマーだぜ?」

「じゃあ負けたら罰ゲームね」

「上等!」


 かくして僕と折羽は罰ゲームの内容も決めないままコントローラーを握る。


「僕はこのキャラで行くよ」

「ほう、キノコ野郎か」

「折羽はどのキャラなの」

「私はコイツだ!」


 選んだキャラは……


「ゴリラじゃん。いくら折羽がゲーマーだからってそいつは使いにくいよ? 大丈夫?」

「まぁ見てろよ」


「僕の勝ちは確定したね」

「言ってろ」


 レディGO!


「あぁ、折羽そこに置いたら僕……がぁはぁっ」

「くくくっ……ナイスだろ今の?」


「ずっるーい、アレは卑怯だよ……あっ」


 星を取り光り輝くキノコ


「おーりーはー」

「キノコめっちゃ光ってんじゃんウケる」


「今追いつくよー」

「来れるもんなら来てみやがれ」


 そして決着。


「ウィィィィィィ!!」

「うぅぅ……ゴリラ強い」


 折羽が1位でフィニッシュ。僕は5位。


「さぁ渚、罰ゲームの時間だぜ」

「3回勝負にしようよ?」

「これが終わってからな」


 折羽がこんなに強いなんて思わなかった。そして罰ゲームの内容は……


「じゃんじゃじゃーん!」


 ビニール袋から取り出したのは。


「……ん? お団子?」

「おう、みたらし団子だ。おやつに買ってきたんだよ」


 みたらし団子? それでどうやって罰ゲームをするのか。


 そして彼女はみたらし団子(3本入り)を僕に手渡してくる。


「えっと、折羽これをどうするの?」


 彼女はニッコリと笑い大きく口を開き甘く囁ささやく。


「……食べさせて」


 彼女の口の中が露あらわになる。艶のある唇。美しい曲線の歯並び。舌は薄いピンク色。その奥にはヒクヒクと口蓋垂こうがいすいが動いている。


 ゴクリッ



 これは罰ゲームではなくご褒美なのでは?


 心の中でドキドキしながら、やや上向きに開けられた折羽の口にみたらし団子を持っていき……差し込む。


「んぐっ……なふぃは……ゆっふぅい」


 ゆっくりと言われても、この構図を他の人がみたらきっと勘違いをしてしまう。でも今は僕の家。

 白い歯にみたらしの蜜がネットリと張り付く。


 いやぁ折羽さんこれはエロい……



「もく……んっ……」


 ふぁ〜といいながらペタンと項垂れる彼女はどこか大人びて見えた。そしてエロい。



「折羽……」

「……ん?」


 そして僕はみたらし団子に手を伸ばす。


「もう1本……食べる?」


 艶なまめかしく笑い口を開く彼女はとても……とってもエロかった。


「ずっと僕の負けでいいや……」


 その後の3回勝負は想像にお任せ。


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