センチアンパサンドコーン

『グラスティック・センス』

海岸沿いに見える空中都市で真横に飛ぶロケット

残した煙は掻き回されたように消えて行く

ほら溶かした水晶を成長期に歪にしてしまった瞳に垂らせば

世の中は深みのある青になって常に冷静に見れる筈さ


これから遠ざかる想い人にだって

どうしてなんだって嘆かないで小さくなる背中を見てあげれる


自分の人生なのに他人にとって都合がよく出来ている様な気分

離れたがらないタンポポの胞子を摘まんで磨り潰す様に埋めて満たす

まだ昼なのに酷く酔っていて欠けた太陽の下

点滴液のプールの中で仰いでいたい


幸せな人達が行きかうこの町で

不健康で頭の事をいっぱいにして過ごす自分は独り



『サティファー』

俺の人生は糞だ!引き寄せの法則なんてのを使って

在りもしない妄想に耽るのを止め

現実味のある成功した自分を思い浮かべて

どれくらいの時間が経った?

時間が経つにつれ1つまた1つと叶わなかったじゃないか!?

それでもまだこれがあると言い聞かせながら過ごしたけど

とうとうどれも叶わなかったじゃないか!

「貴方は幸せそうで羨ましい」黙れ!

俺は必死に成功を引き寄せたくてそんな態度を取ってただけで

根本は暗いままで変わりはしないんだ

俺の当時描いた理想にお前と生涯を共にするってのがあったのに

お前は俺を選ばないで遠くへ行った

授かった命を育てるのが思ってるより大変で俺にそんな事を言うな!

だったら俺を選ばなくても独りで生きることを選べば良かっただろう

お前はその人生で小さな幸せを噛みしめて生きてろ

俺はもういい 引き寄せられる方を選ぶ

なぁに簡単だ ここから飛び降りれば良いのさ

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