ゴーインノウ・ラズベリック・パンカー
そんなタイトルがふと頭を過るって事は、感性の溶けた水中にダイブして曲がって侵入するライトの光を浴びるってのと似ている。渇いた果肉が唾でかつての潤いを取り戻そうとする。それは母性の大気に包まれたくて漂流した、遠い宇宙から来た宇宙人と同じかも。マダーサーカス。終わりに降った紙吹雪には血が付着していて、あっという間に地に落ちて行った。それでも、一目惚れの速度よりは遅いだろうねきっと。ウィスキーにコーラを混ぜて真上から眺めたコップでは弾けた惑星が描かれていて、真横にしてトルジャジーノは世界を飲み干したのかもね。深夜の森に光が横断する。波の様に手招きをする。そこの先へは行ってはいけないと言われているけど、もうどうでも良い。指先から消えて逝っても構わない。溶ける様に新しい薔薇の音を聞いて、ガソリンの揺れ方に身を任せて漂うのはハイブリット色の世界。蝋で固まったお城を冒険する二人の物語を思い出すよ。水彩の空を油虫が飛んで潰れた虹を描くかもしれない雨上がり。半透明のビニール傘はカラフルに汚されるんだろうな。風の亡くなったあの町では、雲が行く宛を無くして留まりながら死んでった。だから、あの町では何時でも青い空。電気で生まれた風だけが住む。潔癖症の男が一人、呼吸困難で搬送されていくのを見た。きっと気づいてしまったんだと思う。降り注ぐ太陽光は何光年先から届く埃塗れのもんだって。カーテン破いてドレスにして螺旋階段、美しい回想を置き去りに愛しい人と駆け落ちる何処かのドラマのワンシーン、乗る筈の列車は窓の外で高い音を鳴らして出発してしまったよ。バランスの取れない地球儀は蜘蛛の糸に縋る。救い上げられて満足かと思いきや、今度は回りたいと言い出したもんだから蜘蛛は糸を切って地面に落とした。割れた地球儀からは白身に包まれたアダムとイヴが出て来て、箱舟を作って空を渡る。隣の国が領空を主張して箱舟を撃ち落としてしまったんだ。ねぇ、もう生まれ変わっても二人で手を繋げる事は無いだろうから、今のうちに沢山繋いどこうよ。
ゴーインノウ・ラズベリック・パンカー
この世の砂が全て星屑から出来ていて、それが黄緑に輝きだして空に帰るのは近いのかい?
ゴーインノウ・ラズベリック・パンカー
景色が次々と脱色していって、最後に黒一色になって終わった夢の続きを教えてくれないだろうか?
ゴーインノウ・ラズベリック・パンカー
瞳の青い所を魚が泳いでる。栄養剤で、頭の中で花が咲き乱れる。唇と唇が触れ合って、見えない距離が縮まった。
ゴーインノウ・ラズベリック・パンカー
そんなタイトルがふと頭を過るって事は、そんなタイトルがふと頭を過るって事は
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