ニルニヴァナ

『ウツった心』

黒い部屋でカーテンも真っ暗な厚いやつ

そんな部屋を見て彼女は何だか息苦しそうだった

「閉ざし過ぎじゃない?」と引きながら言った

僕はプラネタリウムを付けてこの部屋を宇宙にするのが好きだから

それをやってあげたけれど「何で外は明るいのにそんな事をするのか」と

「お金をかけて偽物の星を見て何が楽しいの」と

電気を付けられ「てか、カーテン開ければ良いか」と開けられた

僕が内向的な曲を聴いて気持ちを底に置いてくるのに苛々して

愛や希望や友情の類を歌い上げる奴らの音楽を耳に突っ込ませる

「そんな歌を聴いてたら何時までも元気が出ないからこれ聴きな」と

僕は慰めて欲しいし共感して欲しいのに全く真逆で惨めになった

彼女は必死だったのだろう

何時もなら笑っている事が多かった僕が心の風邪を拗らせたから

僕自身も症状をいまいち理解していなかったから

彼女の出す薬が合わないなんて気付かなかった

ホントの診断と薬を貰って帰って来た日

彼女は電気も付けず黙って頭を抱えていた

こうしたのは僕

彼女に心の風邪をうつしてしまった



『ひとりごと』

独り言が最近は増えたんだ

他者から見たら気持ちが悪いだろうけど

内容は自分を保つ言葉を沢山言っているんだ

必死に前向きに考えようとしている証

だって言った所で誰も僕を励ましてはくれないんだ

またかと面倒くさい顔が隠せない横顔から見えてるよ?

だからこうやって独り言を呟いてる

内側の僕に向けて声を発してる



『無題』

自分が嫌で逃げ出した裸足の季節

どうやっても自分からは逃れられなかった

降り始めの雨が屋根に当たる

誰かの足音に聞こえて怯えてた

皆が笑顔で喋る場だと私は黙ってしまう

そうで無いのは明らかでも嘲笑われてるか様に感じるんだ

悪意がないのにただ真剣にやっただけなのに

何故か嫌われていくんだ

私はきっと今よりも人に悲観して

どうやったら楽に死ねるかばかりを考えてしまうのだろう


どうかお願い これ以上悪いことが起こらないで

どうか私よ これ以上変なことを起こさないで

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