短編詩#11

『君が少しだけ出掛けている間に』

僕はお風呂のお湯を沸かしていた

遠くの木々が揺れるを音の響く

置き去りにされた気持になる午後


番組がCMを見せたがるから

そろそろ良いだろうと

お風呂に行くと

白人がお風呂場で裸で立っていました


社交的でハローと僕に親しげに近寄り

僕と握手を交わすのでした

僕はその後彼の為に

古いものばかりだったけれど

森で暮らして行く彼の為にと

尽くしていました


君が少しだけ出掛けている間に




『掌の川』

掌には文明が出来上がっていて

大きな三本の線をなぞる様にして

文明が栄えていくのでした

親指の付近から赤軍が

膨らんだ山を越えて

生命線付近の人たちと戦争を起こしている

繰り返しているうちに

掌には川が出来ている

血管浮き出ている個所を掘り出そうとする人がいる

左手の薬指の先

人類は宇宙を目指すのでした




『フクロウ』

冷めた国を目指している

オーロラすら深海の海月の様に

青一色の光で靡いている

遠くから梟が行方を監視する

凍りついた海面を横断している

苔を遊牧の羊は舐める様に食べる

覗かせて欲しいその内側

限りなく白に近く

哲学も潜んでいなかった

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