短編詩#12

『鳥を飼う頃に』

あの蜜蜂は花を見る前に死んだ

雲は流れて無になるのを知った

氷は音をたて床は水浸しになる

鳥を飼う頃に空を見れぬ病棟で




『アンプ』

君の喉元には穴が開いてる

そこに君は線を差し込む

僕は首元を擦っているのを知らない

君は電源を入れて話出す

「私達は平面も内側も望んでいる

それがこの答えなのですか」

人々の眼は葛藤が零れていた

けど君は使命として

喉を潰された




『渇いた魚』

浴槽に忍ばせて赤い魚

尻尾はどんどん広がって行く


右へ徘徊

左へ謝る


ぬるま湯に成り果てる

泳ぐのをやめて自殺する


濡れていても

それは過程において

内側には染み込まず

枯れて茶色くなった花の様に

渇いたままで

外も寒くて乾燥している

白い洗い物が沢山干された朝に

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る