夕方ジェラシー

夜になってしまっただなんて

誰かが言ったけれども

それは再開を意味するんだよ

あのオレンジだよ 綺麗な夕方

あれが全部持って行くんだよ

綺麗に輝いて 海に全て沈めていく

一日の築いた物を奪って不安にさせるんだ


僕らは崖にのぼって

そんな夕方に叫びながら発砲する権利がある

僕らの春はそれで出来ている

檸檬の気泡によく似た碧さも持つ

その銃弾は帰って来ないよ

宇宙に導かれてそっと漂うよ


弾けてしまいそうな心をしまっていて

背後は全て思い出だろう

声が聞こえるんだ純度100の嘲笑

これがアイデンティティーを誘わせるよ

僕らは高い所から飛び降りて

過ぎ去る電車に飛び散らされる権利がある

全ては夕方のせいなんだよ


天然衛星は何処にあるのだろう

それは僕らを監視している筈さ

幼いのか知り過ぎたのか分からないけど

黒い配線に火花散らす僕らを監視してる

星とかに並んで回っては居ないだろうね

二番目の精神に潜んで居るんだろうね


白昼夢で電柱だけが一定に並んで居る

全体的に靄がかかった海岸通りを歩いてる

テトラポッドが車道に堂々と在り

そこから林を見るとキリンと象が居た

そんななんでも無い夢を

いつまでも覚えて居てしまってるんだ


花の裏側を引っこ抜いて覗いたよ

道はそこに非常口として続いてる

僕らはそこに歩いて行く

逃げ込む様な事はせず歩いて行くゆっくり

白くて何も無い空白の風景に

果てしなく続く非常階段があって

一段一段を踏みながら降りて行く

ミラーボールが出て来て輝いていたけど

その光は僕らを射れなかったんだ


最終地の扉は黒色だった

開けるとオレンジの球体が浮いていて

転がってるバットで殺してみせたんだよ

すると警察がやって来て

殺人罪として僕らを捕まえたよ


数グラムの宇宙が僕ら一人一人の牢屋で

無音を従い無重力に誘われて流れる

宇宙船を見掛けたよ

水を求めていた

僕らの目に溜まるもの掻き集めなよ

それが僕らの時代なんだからさ

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