サスティファン

雨が夜に降るからといって

その色は夜に溶ける透明とは限らないのよ

車の中でラジオを通してヒトラーが叫んでる

信じれるものは全て流れ星が奪い去ったよ

どうでもいい願いが私に残った信じれるものなのです

見えない力とか繋がりとかは燃やせる紙となり灰で舞う


漂わせていたんです電柱下の停留所

水溜りが白くなって行く

それは蓋を失くしたマンホールに垂れ込むように落ちて行く

23時のゲリラ染みた雨だから外出は誰もしない

家の無い猫だって冷え切らない様に響く土管で眠る

ライトアップして私は傘を差さずにそこへ歩み寄る


そこに生命を感じてしまって

成分の含まれたゴミ袋を血と肉と骨と捧げる

梯子を勢いよく登り赤子の群れが溢れ出して

私はエンジンが切れてしまわないか気になった

この雨に私は残されず頂かれるのだろうか


それがね例え一輪車で消えてったあの子の行方と重なっても

私は全てを証なんて不確かな物の為にシャッターを押すのです

光が数歩先を歩いて行ってしまって音は後を着いて行く

それが昔の自身の背中を見ているようだとしても

眼の奥にだけに閉まって表沙汰未練を残さぬ様に千切れ逝く


降り止んだ2時には潜ませた虫が鳴き始めたのだった

それは繁栄の糸が切れないようにと唄われる詩であり

それの意味を知る事もなく身を空と化するのです


濡れない獣が纏わり付く水に足を塗れしている

私の現場で幽かに残ったいっていた一滴を嗅いでいる

泥棒がそれを奪い轢き殺して純度を薄めるやがて無となる

青い空の下で捜索だけが打ち切りまで続けられる

マンホールでは言葉を知らない子供達がはしゃいでいる

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