ダダリオ

寝そべって空中に指の弧の機動を記憶する

私には見えない色付いた絵が出来る

私にみせてと尋ねても

ダダリオ 君は

恥ずかしがって手のひらでそれを拭き取る


子供の遊園地に大人は入っていけないんだ

長身の縫いぐるみは全部本物で

チャックなんてのはジーパンくらいだ

毎日が幸せと悲しみの連続さ

長く居過ぎた子供は遊園地を抜けたくない


ティンカーベルってロケットがあって

手遅れな子供は張り付けられて飛ばされる

あの子供達は飛べる様になったと

小さな子供には教えとくんだ

遊園地を何故抜け出さなきゃいけないのか

ダダリオ 君は

お化け屋敷に身を潜めてる


あの時のキッチンは朝だった

コンフレークにミルクをかけていた

そんなどうでも良い様なメモリーが

私の眼の奥に映されたんだよ

思いでってのは見えないしまわれた宝

なんて思わされちゃうよ誰かに

下らない当たり前が美しく見えるよ

さっき頭をぶったからその時だ

引き出しが開いちゃったんだね


風が冷たいのにコーラなんか飲んでる

箱の中に愛は詰まっている

指先の作る波紋に体温はあるのか

土に帰り空に召されるのか

ダダリオ 君は

星の数よりも黒を主張してたんだ

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