リボルバー

フラミンゴの群は足を水に沈める

川は流れを微かに変えられながらも

足を包む様に流れて行く

水色の水が流れている紅蓮の麦畑にて

テレパシーを発していた

僕の声は誰かキャッチをしている

その耳鳴りになってしまった声を

生涯かけて解読するだろう


フラメンコは窓辺の花の為にしていた

虚像都心の正体を

僕は知りたかったのだ

招待されて小隊に所属した僕は

ゴーグルを付けて匍匐前進していく

霧が濃くなって行く

早朝4時まだ眠りから覚ませられない

虚像都心に陽射や雀の様に邪魔をする

霧の中の人影を見た

僕はそれにリボルバー一発弾を詰めた

発砲すると

人影の姿がはっきりと分かった

頭は籠で白い鳥が死んでいた

そして霧が晴れて行くと共に

溶け込んでしまったのだった

実像都心は荒れ地になっていて

足下に目をやれば白い花を踏み付けていた

警戒をしながら足を進めれば

鳥と籠が横になっていた


枯れた空はひび割れて

青が地上に剥がれ落ちていく

剥れた空の景色は記憶に残らなく

いくら眺めても目には焼き付かない

やがて人々は空を見なくなり

湿った森の奥で

苛立ちを紛らわすシンナーを吸う

空が付着した木々の葉には

雲や青さが写し出せれている

毒の抜けていく感覚を

凭れかかった木を見上げて思うのだった

今日も晴れが広がる良い天気だと思いながら


手を伸ばせば

昨日の事なんてどうでもいい

そんな気持ちに吸い込まれていくんだ

電柱に巻き付いた蔓とか

重ね過ぎて声を無くしたテープ

昔の自分に話しかけられる公衆電話

変わり行く日々を事件とた警視庁

美し過ぎた放火犯の炎なんかも

全てがどうでも良くなってしまうよ

僕のリボルバーは憂鬱を詰めて放たれる

それは円を潜る様に突き抜けて

誰かを孤独な気分にさせてしまうだろう

僕は今ニコニコとしているよ

桜前線にて咲かせた桜は

皆虚しくて散らしてしまった様だ

ごめんよ僕は今ニコニコしている

抱き枕に眠るあの子供は眠りながら

手足を結わい付けられて崖から落ちたよ

引き金の引く音が鳴る

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