SEVEN STAR

★1

星のバスが来るのを待っている

地上の都会は眠らない

2時にお出でになる人だって

恨みの事など忘れてただろう

人込みを掻かずに通り過ぎてく

伝言板にはチラシがあって

八つ当たりで破けば誰かの

「助けて」の彫り後なんて有る

向こうの丸い空に行きたいよ

僕は太陽から逃げる様に

時刻を忙しくみる

いつの夜でも静かで

街灯に群がる虫みたいに求めて

落ち着いているんだ

呼吸だけの空に

廃棄ガスを輝きに変換させ

星のバスがやって来た


バスの中には僕一人だけで

車内の真っ白い蛍光灯の下

一番置くの左に座るのが

僕の一番の心の居場所になる

流れ星の泳ぐ池で

誰かが釣っているのを見た

成熟した願いを釣り上げて

その場で美味しく頂いてる

子供達よこの現実を知っても

どうか夢見る事を止めないで

その星は君の輝きに

泳ぎを変えて行くんだよ

大概は捨てられた夢なのさ

だから活き良く泳がせてやりな




★2

風船を丘から飛ばしたよ

中にはヘリウムの成分した愛

迷い無く空を目指してく筈

だけど兵隊に撃ち落とされたよ

いつになればこの広い自由な空

再びそう見れる事でしょうか

鳩は平和を訴えてなんかないよ

知らん顔してるだけなのです

争いも平和も興味が無いのです

餌を食べる駅があればそれで

構わないと思っているんです


君はマンホールの上に立ち

民衆はそれを異変と感付く

人波の移りが変った

飛び下り自殺者にお願いをして

法則の基自殺をして貰えば

人は交差点に凝縮する

それは段々と圧縮されていき

赤子へと姿を変える

たった一人の赤子に

星達はそれを祈っていました




★3

数年前には脳裏に残っていた事件の様に

お前の事なんて風化されてしまいました

その風は僕に吹くのはもう無いだろう

案山子が手を伸ばしたがっている

足下の白い花

触りたいけど枝の手は

動かないのに曲げれば折れる

鼠は風水に従い

私達は神の届かぬ声に従い動く

囚人は牢屋にて

11時の陽が永遠に輝く

向日葵畑を造り上げたのです

囚人は駆け回っているうちに

帰って来なくなりました

時々踏み込めば風に紛れて声がする

無邪気な楽しい声がする

抜け出せばそこは夜でした

魚は海面の星を盗もうと跳ね

鳥は届かぬ事を知り身を潜める

私達は願いを込めて見るのだ目を閉じて


また咲いているよ

奪われてしまいそう

心の花が奪われそう

どうか枯れさせて




★4

手紙を渡しました

青い鳥は海を羽ばたいて行く

ここの砂を瓶に詰めました

崩れた足跡は奪われて行く

波の中を真っ直ぐと行きます

春の窃盗団は桜の花びらを奪う

それはどこで拾われるのだろう

宇宙の隅にだって響く声を聞く


焼けてしまった苺畑のハウス

爛れたビニールの臭いが包み込んで

焼けて焦げた苺達は笑っていました

古井戸は銀河に繋がるから

友人は紐を伝って降りて行きました

電車の片道切符を持っていたのに

不吉な予感を感じていましたが

友人は声の届かぬ所に落ちて行きました

地上から見下ろせば

箒星が翔けて行くのだった

位置などないこの宇宙にて

空を切り込む様な輝きを

出して翔けて行くのだ

理由なんかに縛られない黒の空を




★5

始めは小さな道路からだった

梯子の白線が広がって行き

人口が二倍になった

そこの君だって初見な感じ

だけど三日前に二人ここに居たんだよ

それは互いに知らなかったけど事実なのさ

知り合えた人の顔を忘れてしまう位に

この街の梯子は増えたよ


次に子供よりも早く育つビルが建ちました

僕が居眠りをしている間に

ビルは一階を造り上げていた

寝る子よりも早く育つ

眠らない街になる為の睡眠期間だと

僕は思春期の頃の自分を振り返っていた


そして蜘蛛の巣の様に駅が張り巡り

人口は五倍に増えた

顔見知りも栄えたと頃に移り変わり

知っている人でさえ分からなくなった

巡り逢う約束も掻き分けてそこに着く

僕はこの街のど真ん中で

何を思っていたのだろう

もどかしさだったのは確かだけど

忘れてしまったよ

会話に憧れて会話に怯えている

好かれてたいけど飛び込めない

時間はあるのに切羽詰まってる

悩みが消えないで人類に生まれ後悔してる

でも下らなくても前向きになれて

常に逃げず自分に向き合えている僕と

変わり果てた街に輝く星空は変わらない




★6

夜空の波に乗るよ

流星のサーファー

ブラウンのガラス瓶

ハートを縛る蛇の刺青

生まれた時間で止まった懐中時計

君の焦点を奪いにいくよ

少しだけ


陽射の季節に

君を透かしてみせたよ

ガラス質の裸で胸の真ん中の所

オレンジ色のハートが光を纏っていた

僕は悲鳴の庭で

君を抱き締めよう

静かさ森も空も

ただ此所は心が騒ぐんだ

僕達の配水管は

拙いメッセージを押しつけ破裂する

今日の夜空は白く垂れ込んでいた




★7

わたしは、ゆめをみました。


おほしさまがふたつ、かがやいていました。


ふたりのまんなかをせんがとおり、それはそらにかわをつくりました。


ふたりはこいびとでした。


なんどもめぐるうちに、たがいにきになるそんざいになりました。


ふたりは、これからたがいのいんりょくをはりあわせてわたしがゆめをみる、けっこんをするはずだったのです。


しかし、とつぜんのかわにふたりはいんりょくをはなしてしまったのです。


ふたりはおおきないんりょくからもはずれてしまい、たがいにとおくへとながれていきました。


ちきゅうはまるいけど、うちゅうはまるくてもむこうにつながることはありません。


ふたりがたがいにめぐりあうとしんじてるところでゆめからさめましたが、めをさましたときわたしはつづきはきせきがおこるわけないんだとおもったことにこうかいしました。


わたしはおとなになってしまったんだなと、わたしはだれとつながっていているのだろう、そしてかわがそれをさいてしまうのだろうかと、おもっていたのでした。

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