探知機をつけて

探知機を付けて何処までも行こう


この広い荒野で360度見回しても居ない筈なのに

探知機がピコンピコンとなっている

地面を掘るんだ 君はそうやって僕を着いて行く

爪が剥がれる硬岩石なんて気にしないで掘り続けろ

君はやっぱり何処にもいなかった

登り終える頃には午後になっていた 相変わらず雲一無い

私は理解した 太陽あなたですね? 私に影を付けて付き纏っているのは

焦燥感が働いている セカセカと 今日はどうですか?

大猟だね 気が狂いそうだね あぁぁぁあぁああぁああぁぁあああ

影と取っ組み合いをした

引っ張り出そうとしても直ぐにまた地面に張り付いてしまう

太陽はゆっくりと顔を沈めている 逃げるな

お前を引きずり出して 良い家庭でも築いてやろうか

離れたくても放れられない様にしてやろうか 


そうしているうちに

影は薄くなった

夜だけになって世界に囲まれた

探知機が五月蠅い 先程から鳴り止まない サラサラに振動がついてきて五月蠅い

私は空間を噛りついて

夕方の似合う 廃墟の庭へと向かった

探知機はそこで鳴り止んで

私は胸に小さな穴ができていました

鳥たちが海の方へと帰っていく

段々と小さくなっていくのその姿は飲み込まれてく様だった

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