えいえんのいのり

廃れた小さな町の商店街には

中身が変わり映えしない古本屋があって

そこには物語を全て積め込んだような

独りぼっちの活字塗れな薄汚れた男が座っている

潰れたソフトの煙草を取り出して

そのまま大気へ消えていくような物語

虚ろな瞳と水気の無い声で唱えている


それは同時にに脳裏を刻み付ける自傷で

刻みつけるその音だけが鳴っている

煙草は火を点けた後

口にされる事も無く灰となった

生活音が鳴り止んで独壇場

男は永遠とその行為を繰り返している


きっと僕がこの町を離れても

ずっと繰り返している

きっと理由なんて無いし

あっても忘れている

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