第3話 社会での葛藤 自閉症スペクトラムとわかっていたら

高校の夏休みにいとこのバイト先で知り合った大学生と付き合い始め、それは卒業しても続きました。

学校に行けば嫌がらせにあい、辞めれば家を出なくてはならず、何とか今後の自分のためにも卒業しようと、ギリギリの単位分の出席をして、高校は卒業しました。それ以来、その地には行ってはいません。人生最大の汚点になった、クソみたいな学校とその地。小学校で転校さえしていなければ、きっともっと違う人生が、楽しい学校生活があったとどれだけ思ったことか。

尾崎豊を聴き、原チャリを走らせ近くの水辺でタバコを吸い、学校にも家にも居場所がなかった自分に、その彼は生きる理由をくれました。


当時は、先生に相談してもいじめにあうお前が悪いと担任には言われ終わりです。今でもそいつのことは恨んでいるし、今なら問題にしてやれたかもと何度も思いました。あんな学校にさえ行かなければ違う人生が待っていたかもとずっと悔やまれて、お金があれば行きたかった私立にも合格していたので行けたはずでした。お金のあるうちに生まれたかった。いいえ、子供にお金を使ってくれる親の元に生まれたかった。

毎日お金が無いと母には聞かされ、酒は毎日飲んでは暴れ、ゴルフに金は使い、家族の存在は自分の世話をするためにあると言い放ったクソ親父。


そんな時に支えてくれたのが大学生の彼でした。迎えに来てくれたり、ずっとささえてくれていました。いろんな所に連れて行ってもらい、いろんな経験をさせてもらいましたが、終わりはきます。ある日、彼の母親に2人で呼ばれて行くと、詳細は忘れましたが、お説教されました。

どうやら、彼は貯金を使い果たし、親から借金をして私に使っていたらしく、散々嫌味を言われた覚えがあります。

まもなく彼とは別れました。私の中で、彼が母親の言いなりになっているように見えてしまい、冷めてしまいました。


車の免許をとるために卒業後都内でバイトをはいめました。ジムのバイトで、2,3人のわりと年配の方々しかいない職場でした。

とにかく、人が少ないところが良かったので、居心地はさほど悪くありませんでした。


そのままでは仕方がないと思い、都内の会社に事務として就職、そこは若い方が多く、女性も少なく、理想的でしたが、入社と同時に同じ20代の女性の先輩にいじめにあいました。理由は多分、18歳とゆう若さに周りにチヤホヤされたことだと思います。くだらない、ほんと女はくだらない、高校も女が多い学校で、嫌がらせもいじめも女でした。つくづく嫌になっていました。

悔しかったので、色々戦い、その先輩とはいつからか飲みに行けるほどになりました。この頃はまだ楽しかった気がします。

高校の時も、渋谷や新宿で遊んで、始発までマックなんてことよくやりましたが、お金がなかったし、社会人の遊びとは全然違い、見るもの全て新鮮で夢中になって遊んでいた気がします。


彼氏もできましたが、数ヶ月で嫌になり別れてしまう。嫌なところが目につくとダメらしく、長続きせず、そのくせすぐに誰かを好きになり付き合っていました。今だからわかりますが、1人になりたくなく、恋愛依存症、様々な依存症だったのではないかと思います。

自閉症スペクトラム障害は依存性にもなりやすいらしく、後にまた別の依存性も発症します。

この頃はまだ、そんなことだとは思ってもいません。


19歳の頃、1度子供が出来たこともありました。

私は結婚したかったのですが、相手がまたマザコンで、私に騙されたとかわけの分からないことを言われ、彼は黙ったまま、私の親も自分の責任だと私を責め、結局まだシングルマザーになる覚悟はできず、堕胎することになりました。

同棲しはじめると、体のためだけに一緒にいると周囲から聞かされ、別れました。この時も本当に辛かった。平日は会社、土日はバイトをして働き詰めに自分を追い詰めて、辛さから逃げていました。

そんな時に知り合った彼が、ネズミ講をはじめ、私はそれ自体が良くないことを知らない無知な人間だったため、羽振りのいい彼に騙されてしまいました。自分も始めてしまいました。借金をして、友人を誘い、金持ちに一緒になろうなんて夢を見ました。金持ちになりたかった。でも、私にそんなチャンスはなかった。彼も他の同じ羽振りのいい女性と付き合い始め、私は会社も辞めていたので、残ったのは借金だけでした。

自分が情けなかった。クソみたいな親父にさえ、儲けてベンツ乗らせてやるなんて、よく言ってたなといまだに思い出します。


結局、昼間の仕事では借金を返せないので水商売をすることになりました。当時はキャバクラはまだないので、スナックとかパブとか、最初はカウンターバーで、下着が見える衣装で隣に座る程度のバイトでした。

女ばかりで、怖かった。またいじめにあうのではと。

自閉症スペクトラムだと、トランスジェンダーではなく、アスペルガー症候群は特に男性脳が強いらしく、そのせいだろうと今では理解できるようになりましたが、いじめのせいだけではなく女性との会話が苦手でした。群れる女性も苦手でした。

ただ、この水商売の時に知り合った女性達は、最初は怖い人達も、運良く面白くいい仲間になれた。恵まれて、沢山遊んで仲間と言る最高の環境でした。私は水商売はむいてないらしく、お客さんはほとんどつかなかったので、あまりかせげませんでした。借金は減らなかった。

数年すると、仲のいい友達2人とも、お客さんとの子供ができて、辞めてしまい、私もこのままではいけないと昼間の仕事に転職しました。

けれどそれではやはり稼げず、結局自己破産することになりました。弁護士費用も出せないので、独学で破産申請をしました。

破産をした為、クレジットカードも使えず、ローンも組めず、その分その時の彼に頼っていました。ほとんどその頃は、彼氏の家にいました。

クソ親父とトドメの争いがあったので。

当時祖母も同居していて、マザコンの父は祖母の言いなりでした。その為、私が悪くないのに祖母に濡れ衣をきせられ、それを信じた親父が酔った状態でまた暴れ始め、20歳すぎの私の長い髪をつかみ、家中を引きずりまわしました。

殺してやろうと本気で思った最初で最後でした。

母も妹達もただ泣くだけで、私は死ぬと思ったので、何とか振り払い、クソ親父やるならやれ、負けねーぞと殴り掛かる親父の両腕を掴み叫びました。しばらく小康状態が続き、親父が力尽きて腕をおろしました。今でもその時のことは忘れません。

この時、こんな家族なんていらないと本気で思いました。そして家を出るような形で彼の家に住み着きました。

ただ、この彼が色々うるさく厳しく、嫌になってしまい別れ、別の相手と結婚します。




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