第6話 盗賊団、息子さん一派


 南にあったお城ついた。

 私は泣きながら神父さんに頼んでみんな蘇生してもらった。三人の顔みたときはしっこ漏らすかと思った。珍しく息子さんが「よく耐えた」いってくれた。砂漠は難所やったらしい。抱きつこおもたら避けられた。息子さん、ツンデレ。

 しばらく横隔膜痙攣して目ぇから涙ちょちょぎれてひっくひっくぐすんぐすんやってて動けんかったけど息子さんが先急ぐいうからうちは戦士さんに抱えられて無理矢理移動させられる。運ばれるのは抵抗あるけどしゃーないんやろか。これはこれでらくちん。

 うちがとってきたカギつこてお城の宝物庫に忍び込んで金目のもん盗み出した。めっちゃ光っとるティアラあった。これ、国宝とかそういうやつちゃうんやろか? ルビーの装飾ついた腕輪も盗んだ。おとん、おかん、ごめん。うち捕まるかも。ムショで臭い飯食うことになるかもしれん。

 息子さんは大胆不敵にもそのあと女王様の寝室押し入って、なんや話は始めた。女王様、めっちゃ色っぽい。こんなん王様やったら周りの人、悶々としてそう。

女王様、指輪くれた。太っ腹。うちはティアラとかルビーも女王様がくれたもんやと脳内変換することにした。せんとやってられんかった。

 盗ってきたもん売り払って、武器屋で剣と防具見繕って戦士さんと息子さんが装備した。

 盗賊さんがもの欲しそうな目ぇして二人のこと見てる。

 うちは逃げてばっかで全然魔法つこうてないこと気づいて、ちょっとつらなった。

 なんでここおるんか、よおわからへん。

 聖水とかやくくさとか補充した。

 城戻って地下に潜入して宝箱開けたら、がいこつのおっちゃん出てきてめっちゃビビった。星の腕輪かなんかいうアイテムあってそれも盗んだ。


 それから最初のお城に戻って息子さんはそこでも盗み働いた。あかんて。お天道様が見てるて。盗賊さんが生き生きしてる。戦士さんとうち、目が死んでる。このパーティこわい。たすけて。

 キメイラの翼つこうて、「ブクマ」したお城まで戻る。そっから今度は西の方に向かってついた港の近くのお城で息子さんが鞭二本買った。息子さんと盗賊さんが持つ。鞭やて。ぷーくく。魔物と戦うのに剣や斧やのうて鞭使うんやて。これぞまさに無知ってやつやな。今世紀最大の激うまギャグに笑い堪えてたらめっちゃ寒い目で見られた。つめたい。世知辛い。

 王様に話しかけたら「胡椒持ってきたら船と交換したる」言うてる。頭大丈夫やろか、この王様。船余ってるんやろか? 胡椒、うちの家のテーブルから持ってこよか? よお聞いてみたら交易路の関係でこの国やと香辛料手に入らへんらしい。だからこの国、料理めっちゃまずいって王様嘆いとった。物の価値なんかわからへんもんやな。

 そんでまた宝物庫荒らしてから、キメイラの翼で国でた。

 あのカギ、息子さんに渡したらあかんかったかもしれへん。


 うちらまだ盗みしかしてない。

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