第2話 人間、誰でも歳を取る
「あのこれからどうします?」
返事帰ってこーへんのはわかってるけど、方針わからんと不安やったから訊いてみる。
そんでやっぱり無視された。わかっとってもやっぱりかなしい。うちらこんなんでやっていけるんやろか? うちらでてっぺん目指すって決めたやん。M1出てヒトシマツモトに褒めてもらうんやってあの日語り合ったやん。
ボケよかなとおもたけど、下手したら殺されそうな気ぃしてなんも言えんかった。せつない。
息子さんはイライラしながら街の外出てくからうちらはしゃーなしでついていく。
北の村に向かう。村で息子さんは、なんかの植物の種を売り払って、やくくさとかキメイラの翼とかアイテムを買い込む。装備とかには目もくれへん。嫌な予感する。
村から出て南っ側にある空き地にいったら、そこから地下につながってて地下を通ってどっかいく。息子さんについていくけど、どこいくかわかれへんし地下なせいで方角も曖昧になっていってわけわからん。
うちいまどこおるんやろ? そのうち地上出てきて、うちはきれいな空気を胸いっぱいに吸い込んで幸せな気持ちなる。地下おったら気ぃ滅入るなぁ。
魔物に会う。人の顔したでっかい蝶みたいな魔物が出てきてうちは超きもい思う。その蝶は幻惑呪文を唱えてきて戦士さんが見当違いの方向にこんぼう振り回してる。うちの必殺の火炎呪文が火を噴いて蝶をやっつける。
レベル上がった。得意な顔してたら「置いてくぞ」言われた。
泣きそう。
最上階におじいちゃんが住んでて、その人が「夢で見たからおまえに盗賊のカギをやる」いうて息子さんにカギ渡した。なんやこの人。めっちゃ電波やん。夢と現実の区別ついてないやん。認知症の類やろか? こんな大人なりたないなぁと思うけど、やっぱり歳取るのは避けられへんねやろか? 嫌やな。ずっとぴちぴちでいたい。おじいちゃんは認知症ひどなって、隔離されてこんなところに一人で住んでんねやろか? なんかさみしいなぁ。うちはちゃんと結婚して幸せな家庭作って老後もずっと一緒にいよ思う。
息子さんがキマイラの翼使って、うちらはさっきの村まで戻る。
どうでもええけど息子さん、めっちゃ足早い。普段のうちやったら絶対ついていかれへん思うけど、酒場でうちの口に突っ込んだ種は体力の種いうて、体力増やすアイテムらしい。それのおかげでなんとか息子さんの走るのについていけてる。
息子さんが勝手に他人の家の鍵あけて、中にいたおじいちゃんから魔法球いうアイテムを強奪した。渋ったおじいちゃんに向かって「渡さなかったらこいつがここで火炎呪文を使う」てうちのこと指して言いおった。うち、強盗の仲間入りしてしもた。
つらい。
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