第51話 デューク、勇者の孫娘と出逢う
「恐縮です…『白猫急便』ギルド本部総長パトリックです。宜しくお願い申し上げます。此方はウチのデュークです。デューク御挨拶を…」
「初めまして!『白猫急便』ローナイト支部のデュークです!お会い出来て光栄です!」
「君が噂のテイマー君だね。アーバインだ、ヨロシクね」
『メタなの。よろしくなの』
「ほう!コレが噂のはぐれメタルか!ホントに喋るのだなぁ!」
「だから言ったろ?かなり珍しいぞ!興味深いだろ?ガハハ!」
「とりあえずメタに関しては後でゆっくり聞くとして…今回の件の説明をパトリック君から聞こうか」
パトリックはサガにしたのと同じ話しをアーバインにも説明した。
「なるほど…確かに早急に調べるのが良さそうだな。これで何も出なければそれで良いが…出たなら重大な問題になる」
「ぶん投げる様で悪いが頼む。此方では限界だ」
「分かった。此方の『暗部』に調査させるから安心してくれ。シド!話は聞いたな?早速調べてくれ」
「…承りました…」
声だけが聞こえて先程の気配が消えた。
「後の処理は此方でやる。報告はサガとパトリック君に直接報告する」
「おう、頼むな」
「感謝致します」
「うむ。しかしザグスからの情報には驚くべき事が多い…我々の知る事など世界のほんの一部なのだな…前から分かってはいたが…」
「だから世界は面白い…だろ?」
「ああ、全くだ。この歳になっても身体が疼くな」
サガとアーバインはそう言って笑っていた。まるで少年が新しい冒険を見つけた様に…
アーバインはふとメタの方を見る。やはりメタの事も気になる様である。
「どうだ?珍しいだろ?」
「いやいや、ホントに珍しい。デューク君ははぐれメタルをテイムしたのかい?」
「いえ、メタルスライムでテイムして、はぐれメタルに進化しました」
「ほほう…これは興味深い…進化か…」
「お、お祖父様…あの…」
「おお、スマンスマン、待たせたな。コレは孫娘のメリッサだ。御挨拶なさい」
「メリッサ=デュラムです。宜しく…」
「どうしたメリッサ?いつものお転婆娘はどうした??ガハハ!」
「サ、サガの叔父様ったら…」
メリッサはサ、サガに揶揄われて顔が真っ赤である。パトリックとデュークが挨拶するとアーバインの後ろに隠れてしまった。
「しかし、こんな小さいのにメタからは凄い力を感じるな…」
「おい、デューク、スキル見せてくれるか?」
「はい、構いませんよ。どうぞ」
デューク
職業 ボックステイマー
【幸運の加護】
レベル 55
HP 602
MP 0
攻撃力 1
防御力 5049
体力 327
腕力 1
魔力 0
素早さ 6824
キューブ レベル5A
《ユニークスキル 深淵の魔眼》
《エクストラスキル 神速》
《ユニークスキル 移し身の神盾》
《ユニークスキル 状態異常無効化》
《ユニークスキル 呪詛無効化》
メタ
種族 スライム系ミスリルはぐれメタル
《エンシェントドラゴン、ザグス眷族》
レベル 12
HP 369
MP 2568
攻撃力 10
防御力 47328
体力 192
腕力 10
魔力 2582
素早さ 44729
魔法 ファイヤーボール
魔法 ファイヤーブレス
魔法 ドラゴンブレス
《ユニークスキル 鉄の意志》
《ユニークスキル 深淵の魔眼》
《ユニークスキル 脱皮進化》
《エクストラスキル 液体金属》
《スキル 魔石溶解》
《スキル 跳弾》
《エクストラスキル 魔槍変形》
《ユニークスキル 魔炎の貫通弾》
《エクストラスキル 神速》
《ユニークスキル 鋼の守護者》
《ユニークスキル 魔伝通話》
《ユニークスキル 嘆きの壁》
《ユニークスキル 古竜の守護鱗》
《スキル 伸縮自在(低級)》
「コレは…何と!【終焉のザグス】の眷族になってるのか!…このスキルもかなり凄いぞ…そうか、ミスリルだから色が違うのか…」
アーバインはスキルを見ながら驚いている。
「な?ビックリだろ?デュークのレベルも引っ張られて伸びてるんだぜ。このコンビはヤバいぞ」
「うむ…メタは既にSS級の魔獣に匹敵する強さだな…防御力は下手なドラゴンを上回ってる。素早さは流石はぐれメタルと言う所か…この二つはステータスのみならウチのメリッサに匹敵するな…」
「メリッサもかなりのモンだが、スキルを合わせたら…ウチのSS級のモンでもメタはかなり手強いぜ…」
「ウチの騎士団でも苦戦しそうだ…やはりレアな魔獣はレベルアップや進化すると、更にレアなスキルを取れるのだろうな」
アーバインの後から覗いてたメリッサはメタが気になるのか徐々にデュークの方に近付いて来た。
「あ、あのさ…コレって噛まないよね?」
『コレじゃないの。メタなの』
「わ、私はメリッサよ」
『メリッサがかみそうなの』
「わ、わ、私が噛むわけ無いじゃない!」
『メタもかまないの』
「大丈夫ですよ。手に乗せましょうか?」
「!!、乗せられるの?」
メリッサの合わせた掌にメタが乗ると最初は緊張していた様だが、慣れるとじっくりとメタを観察する。
「…意外と冷たいのね」
「一応、金属ですからね〜」
「メリッサ…私にもメタを寄こしてくれ」
アーバインもメタを御所望の様子である。メリッサからメタを受け取ったアーバインは興奮した様に熱心にメタを眺めていた。
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