第48話 デューク、絶品料理をオカワリする

【お詫び】

46話目が抜けておりましたので追加しております。

申し訳ないです。


デュークは冒険者ギルドの総長サガとの話が思いの外長くなり、冒険者ギルド本部で強引にやらされていた仕事が終わったロキと二人で出る事になった。


「あぁ~エライ目にあったぜ…まさか後ろにいるとか…背後霊かよ…」


「ロキ様が気付かないとか流石は伝説の男ですねぇ」


「全く…引退して随分経ってるのに未だ現役の頃と変わらねぇパフォーマンスしやがるからな。タイラントくらいならワンパンで倒すぞ。マジでオカシイんだよあのジジイ…」


「流石は『魔王を殴った男』ですねぇ。カッコイイな〜。話を直に聞くと。ホント本や演劇よりも壮絶な冒険だったんだなぁって」


「まあ、それに関しちゃあオレも同意だがよ…とにかくオレに厳し過ぎんだよにグレちまうぞ」


(今でも十分グレてますから大丈夫だと思いますけどね…)


「何か良からぬ考えの目だな?あ?」


「き、期待してるからじゃないてすかね?」


「要らねぇわ!は自由に生きてぇんだよぉ~」


と色々と話してる内に二人は屋敷に到着する。

屋敷ではメタとザグスが相変わらず中庭でスキルの練習だ。


『あーあるじとロキがきたの』


「おや?戻って来たのか?そのまま店に行くのかと思ってたが」


「ん?店に行くのか?」


「ロキ様にはちゃんと言ってますよね?」


「そうだったか?」


「…デューク、コヤツはだめじゃ。ワシが一回頭に刺激を与えた方が良さそうじゃ」


「や、や、止めてくださいザグス様!」


『ザグスじいはやめるの』


「そうか?メタが言うなら仕方ないのう…」


『ロキもしっかりするの』


「…何でオレがメタに叱られてんだ?」


「ほっ…とにかく店に行きましょう。帰ったのはメタの顔を見る為ですから」


「じゃあ行ってくるぜ!!」


『いってらっしゃいなの』


「メタ、頑張ってね!」


屋敷を出て指定のレストランに向かう。途中でロキに今回の集まる件をもう一度説明をしてようやく理解した様である。よかった。


指定のレストランは結構な高級店でロキも何度か行った所だと言う。中に入るとかなりの広さで店員の男性が案内してくれた。


「な、何か凄いお店ですね…内装とか凄いし…」


「デューク、とにかく座って。ロキ様も其方にどうぞ」


「おう、ありがとな」


レイナとイレイザは何時もと違う服装で華やかである。デュークとロキが席に着くとイレイザの挨拶が始まった。


「ロキ様、デューク君、この度は迷宮でのお力添えに感謝致します。心ばかりの御礼ですが楽しく過ごして頂けたら嬉しく思います」


「つう事で、ジャンジャン飲んで食って楽しんでね!」


「おう!じゃあ遠慮なくゴチになるよ」


「却って恐縮です…」


「いいからいいから、デューク!ジャンジャン食べな!」


いつもとは違う雰囲気だが料理はどれも絶品であった。特に魔豚の肉のスープはデュークがオカワリしてしまう程である。ロキは酒を飲みながらツマミ系の料理を楽しんでいる。


「この店も久々だが流石に美味いな。こういうツマミ系でも手抜きが無いからな」


「ホントに…ちょっと驚いたわ。イレイザのチョイスだけど正解だったわね」


「何かホッとしました…好みに合わなかったらどうしようかと…」


「さっきのスープなんて絶品ですよ!肉がトロトロで…あんなに美味しいのは食べたこと無いですよ!」


「随分と気に入ったみたいだな。オカワリしてただろう?」


「逆にオカワリしないとか有り得ないですよ」


「デュークは分かりやすくて良いわね…」


「ところで…話は変わるが…暫くは二人で業務をするって事かい?」


「はい、二人でなら色々な状況でも対処可能ですし…何より私が安心出来ますから」


「良く言うわよ…とりあえずイレイザとフィールドに出る事にするわ」


「まあ、それが良いだろう。相手…まあ、居るとしたらだが…レイナが側にいれば簡単には手出し出来ないだろうし、手出しするならもっと大掛かりになる。そうなれば其処に隙が出来る」


「しかし不気味ね…相手もその意図も分からない…」


「確かに…しかもイレイザが襲われてからはそれが行われていない…もしかすると分かってないだけかも知れんが…」


「レイナさんが一緒なら大丈夫ですよ!ボクが保証します!」


「フフフ…そうね、アタシ達の師匠だもんね!」


「全く…能天気ねぇ…」


「まあ、良いじゃねぇか。あんまり気ばかり使い過ぎても仕方ねえからな。オレも色々と調べてみるつもりだしな」


「ロキ様が直々にですか??」


「クソ爺…いや、総長にも頼まれてるからな…もし人為的だとするとかなりの脅威になるとギルドでは見ている」


「確かにアレを魔法陣か魔法でやったとしたら…かなり脅威ですね」


「うむ…今回は1人だけだが、コレが広範囲に出来たとしたらかなりマズい事になる」


「しかし…何者の仕業なのかしら…あまりにも手懸りが無さ過ぎるからねぇ…」


「ボクもザグス様にもう少し色々と聞いてみます。何か思い出してくれるかもですし…」


「じゃあそっちはデュークに任せるぜ。オレは別の伝手を頼むとしよう」


「御迷惑お掛けします。宜しくお願い致します…」


「迷惑なんて…同じ師匠に学んだ身ですからね!ドーンと任せて下さい!」


「アンタは謹慎中だけどね…」


「あっ…そ、そうでした…」


そう言って真っ赤になるデュークを皆が笑って見ているのであった。

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