第37話 デューク、王都に立つ

王都ギガンティアは王国最大の都市である。街全体が高い城壁で囲まれており、出入りは東西南北の城門以外には無い。ローナイトから来ると西門が入り口となる。城門には検閲所が設けられ旅人の長い列が出来ている。

1時間程待つと順番が回って来る。


「『白猫』か?ギルド証を出して」


「これです。お願いします」


「うむ…王都に立寄る理由は…荷物か?」


「はぁ、荷物と呼び出しを受けたので…」


「荷物は奥の倉庫で見せよ。呼び出しはギルドからか?」


「はい、総長からです…」


「宜しい。後はテイムの魔獣は?」


『メタはロキにあいにきたの』


「!!ま、魔獣が…し、喋るのか…ロキって…まさか、あのロキ様の事か??」


「あ、はい…王都に着いたら必ず立ち寄る様に言われてまして…」


「わ、分かった。荷物を見せたら入って良いぞ」

ロキの名前を出した途端に高圧的な感じが消えた。ロキは有名人であるから検閲官も当然知っているし、もちろん検閲は顔パスである。


荷物を見せて検閲を受け終わり、いよいよ街に入る。


「大きいなぁ〜」

デュークは完全におのぼりさん状態である。ローナイトに来た時も大きいと感じたがギガンティアの大きさはそれを遥かに超えている。それもその筈、ギガンティアの街はローナイトの十倍は有る。


『はやくロキにあいたいの』


「う〜ん、ギルドが先かな。呼び出し食らってるからね…」


貰った地図を見ながらやっとギルドに辿り着く。王都の『白猫』本部である。

中に入るととにかく広い。ローナイトの5倍は広い。受付も5名で回している…流石は本部てある。


「こんにちは、ローナイト支部から来ましたデュークです。総長に取次お願いします」


「ローナイトの…はい、承ってます。今ご案内致します」


受付の女性に3階の総長の部屋まで案内される。


「ローナイト支部のデューク様がおいでになりました」


「おお、来たか。通してくれ」


「失礼します…」


「やあ、デューク。初めましてだね、私がパトリックだ。宜しくね」


「初めまして!ローナイト支部のデュークです!よろしくお願いします!」


『メタなの。よろしくなの』


「おお!君がメタか、本当に『はぐれメタル』なんだね!」

パトリックは背の高いスラっとした体型である。長髪の色は金髪で目の色は碧色、まるで何処かの貴族のような品の良さである。


「この度はご迷惑おかけ…」


「ああ、その件は良いの良いの。君に会う理由づけにしただけだから気にしないで!」


「はぁ…そうですか…」

何かノリ的にはアレスにそっくりである。


「あっ、ローナイトの冒険者ギルドのゼノさんが宜しくとの事でした」


「ゼノね。アレは幼馴染みでね…元気なら良いよ。そうだ、【ディスティニー】の件では色々と助かったよ。有難う」


「いえいえ!そんな…」


「まあ、引退した後にでも私から真相を話すよ。それ迄は内緒でね」


「はい、もちろん。何も知りません」


「ありがとう。さて、そろそろレベルの調査をしようかな。2階に居るカリアスに見てもらってくれ。顔を見ればすぐ分かるから」


デュークは部屋を出て2階に行く。2階は職員の部屋だが…何故分かると言ったのだろうと部屋のドアを開ける。すると居るはずの無い人物がそこに居たのだ。


「ら、ライアンさん!?どうして?」


「おっ、デュークくんだね。話は聞いているよ。私は本部の課長をしているカリアスだ。ライアンは私の双子の弟なんだよ驚かせてしまったかな?」


「双子…知りませんでした…」


「あっ、総長も言わなかったのだね…全くあの人は…取り敢えずレベルを見せて貰おうかな」

流石は双子と言うだけあって雰囲気もそっくりである。


『いろはおなじだけどライアンじゃないの』

メタはその人の魔力の色を見るので違いがわかるらしい。


「この子がメタだね。私の弟とは何が違うの?」


『うん、まりょくのしまもようがねちょっとちがうの』


「面白い認識の仕方だねぇ…う〜ん興味深い…」

この感じはライアンさんそのものである。


「取り敢えずデュークから見てみようか??」


デューク


職業 ボックステイマー

レベル 52

HP 492

MP 0

攻撃力 1

防御力 4002

体力 256

腕力 1

魔力 0

素早さ 4201


キューブ レベル5A


《ユニークスキル 深淵の魔眼》

《エクストラスキル 神速》

《ユニークスキル 移し身の神盾》

《ユニークスキル 状態異常無効化》

《ユニークスキル 呪詛無効化》



メタ


種族 スライム系ミスリルはぐれメタル

レベル 6

HP 69

MP 782

攻撃力 5

防御力 26850

体力 82

腕力 5

魔力 824

素早さ 34729


魔法 ファイヤーボール

魔法 ファイヤーブレス


《ユニークスキル 鉄の意志》

《エクストラスキル 魔法無効化》

《ユニークスキル 深淵の魔眼》

《ユニークスキル 脱皮進化》

《エクストラスキル 液体金属》

《スキル 魔石溶解》

《スキル 跳弾》

《エクストラスキル 魔槍変形》

《ユニークスキル 魔炎の貫通弾》

《エクストラスキル 神速》

《ユニークスキル 鋼の守護者》

《ユニークスキル 状態異常無効化》

《ユニークスキル 魔伝通話》

《ユニークスキル 呪詛無効化》

《ユニークスキル 嘆きの壁》


《エクストラスキル 神速》は使役魔獣と本人の素早さが2倍になるスキルで戦闘時だけで無く普段から速くなる。両方で持っていればそれぞれが4倍の速さになる。

《ユニークスキル 嘆きの壁》は戦闘時に主人を直接守る時に限り、防御力を2倍にしてくれる。


「結構チートな能力だねぇ…メタはレア度だけで無くレベル的にもかなり凄い」


「それの影響をかなり受けてデュークくんもチートだね」


昔にカリアスと同じ顔をした人からも言われたような気がするデュークであった。

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