第14話 デューク、ローナイトに凱旋する。

街道を旅する事3日…


遂に二人はローナイトの街に到着した。



着いたのは昼過ぎだったがレイナはそのまま冒険者ギルドに向かった。



受付に挨拶もソコソコにギルマスの部屋に向かう。


「ゼノ!」



「おっ!レイナか?やっと着いたようだな」



「大丈夫だったみたいね…」



「は?何の話…あぁ【ディスティニー】の件か?コッチは一人怪我人出ただけだ」


ゼノは顔色を変えずに更に続けた。



「エリスタンから来た冒険者はダメだった。ランクはAでソロの魔法剣士だったらしい。ソロなら近くの冒険者ギルドに立ち寄るべきだった。基本を忘れた冒険者はそのリスクを受けるのは仕方ねえな」



「そうだね…連絡は行ってたんだろ?カーグンのギルドから」



「おう、お前らだってな情報源は。良くやってくれた。【ディスティニー】は前から少しヤバいと言われてたが深くまで潜るのが居なかったんだ」



「入ったのは偶然よ。15階のフロアボスがギガントレッドボアってのでヤバいと思ったわよ。すぐ引き返したわ」



「ナルホドな…良い判断だ。しかし良く倒せたな。坊や連れで」



「アタシの弟子だからね。ナメないでよ」


レイナは胸を張る。


「デューク、見せてやんな。アンタの相棒君を」



デュークは言われた通りメタを鞄から出す。



「メ、メタルスライムだと?どうやってテイムしたんだ??」


ゼノがかなり驚いている。



「メタが寝てるのを偶然に蹴っ飛ばしたら、メタが物凄く怒ってケンカみたいになって…」


とデュークが言うと



「メタルスライムとケンカ…ねぇ…」


半ば呆れたように呟く。



「これを見たら更に驚くよ…」とレイナはカーグンのギルドで鑑定結果を見せる。



ゼノは紙を凝視したまま動け無い。



「お前もガオもぶっ壊れだが弟子も使役獣もぶっ壊れだな…」





冒険者ギルドを出た後、そのまま『白猫』に向かった。



「お帰りなさい!レイナさんデュークさん!」受付の女性(名はピノ)が言う。


挨拶もソコソコにレイナは依頼の確認をする。


「商人ギルドに持っていくの?」



「いえ、こちらで保管します。後で商人ギルドから引き取りに来ますので」



「じゃあ宜しくね」


とピノの【キューブ】にレイナは自分の【キューブ】をくっ付ける。


コレで渡す準備が完了。品物をイメージすれば相手の【キューブ】に移動する。



「確かに受け取りました。依頼完了です」


ピノはお金をそのまま移動する。



「今回の依頼料を移動しました。ご確認下さい」



「確認したよ。ありがとうね」



「お疲れ様でした。ガイル副長がお待ちですよ」



「仕方無い…行くよデューク」



「あの…ピノさん、コレはカーグンのお土産です。良かったらどうぞ」



「え〜アタシに??ありがとう〜」



ピノにお土産を渡すとガイルのお土産を取り出して副長室にレイナと向かう。



「おっ!来たな!お疲れさんだったな!ガハハハ」


ガイルは相変わらずである。



「ガイルさん!只今戻りました!!」



「おう!デューク!お帰り!手紙は見たぜ。メタルスライムとはビックリさせんなあ」



「メタ、挨拶して!」



メタは鞄から飛び出しぴょんぴょん跳ねてる。



「おっ、元気が良いなあ。ヨロシクな!メタ公!ガハハハ!!」



「ガハハハじゃないよ!ココのギルマスはどうなってんだい?アタシには弟子押し付けっぱで自分は雲隠れ。しかもデュークに会ってないらしいじゃない!」


レイナは怒り心頭である。



「まあまあ、そんなに怒るなよ。イイ女が台無しだぜ!ガハハハ!」



「ぐぬぬ…」



「実はな、総長直々の呼び出しでな。ちょっとマズい事が起こったらしい…」



「総長が??」



「そそ。王都本部のフィールドテイマーのイレイザが依頼中に姿を消した」



「イレイザが??」



「やっぱり知ってたか。まあ本部のテイマーなら知らん訳無いよな」



「イレイザはアタシの元弟子の一人よ」


そう言うとレイナは頭を抱えた。



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