第10話 デューク、ダンジョンに潜る(後編)
10階に到達する前、2階のフロアボスを倒した時からメタの異変は起こり始めていた。
メタの最初のスキルは
《ユニークスキル 鉄の意志》
《スキル 弾性変形》
《スキル 鉱物溶解》
《スキル 魔法ダメージ軽減》
《スキル 高速》
2階フロアボス撃破時
《スキル 鋼の外皮》を獲得しました。
スキル 高速が進化
《スキル 超高速》を獲得しました。
3階フロアボス撃破時
《スキル 弾丸》を獲得しました。
スキル 魔法ダメージ軽減が進化
《スキル 魔法防御》を獲得しました。
《スキル 狩人の眼》を獲得しました。
4階フロアボス撃破時
スキル 鋼の外皮と弾丸が結合
《ユニークスキル 鋼の弾丸》を獲得しました。
スキル 弾性変形が進化
《スキル 超弾性変形》を獲得しました。
5階フロアボス撃破時
《エクストラスキル 鉄の守護者》を獲得しました。
6階フロアボス撃破時
スキル 鉱物溶解が進化
《スキル 魔石溶解》を獲得しました。
9階フロアボス撃破時
《スキル 跳弾》を獲得しました。
ユニークスキル 鋼の弾丸が進化。
《ユニークスキル 魔鉄の弾丸》を獲得しました。
スキル 超高速が進化
《エクストラスキル 瞬歩》を獲得しました。
エクストラスキル 鉄の守護者が進化
《エクストラスキル 鋼の守護者》を獲得しました。
本来メタルスライムはレベルアップする事が無い。
何故なら、その素早さ故に逃げる事がメタルスライムの常套手段だからだ。
しかしメタはメタルスライムではかなり珍しい特殊な《ユニークスキル
鉄の意思》を持っており、それが強い精神力をメタに与えていた。だからこそ最初デュークに立ち向かって来たのだ。
そしてレイナとガオとチームを組んだ事によりメタは労する事無くレベルアップをした。元々超レアな魔獣がレベルアップをした事で数多くのスキルを手に入れてしまったのだ。
その為にミノタウロスという中レベルの魔獣を簡単に倒す事が出来たのである。
「デューク…油断するなよ。何か居るよ」
レイナは注意深く周りを見ながら気配を探っている。
「はい!」
デュークはメタを右肩に乗せてレイナの後ろを歩く。
突然、メタが飛び出して右側上部の壁に激突する。
「メタ!」デュークが叫ぶ。
するとその壁から大トカゲの様な魔獣が地に落ちた。
「ジグガンティスか…厄介なヤツが居るね」
ジグガンティスは保護色によって殆ど見えないトカゲである。静かに移動し捕食時には毒を使う。ベテラン冒険者でも中々見分けられない。
メタはミノタウロスを倒した際に会得した《スキル 野生の勘》により気配を察知し、《スキル 狩人の眼》でジグガンティスを発見し攻撃したのだ。
「メタ、凄いね。また倒したよ」
メタはデュークに褒められ喜んでぴょんぴょん飛び跳ねる。とまたメタが消えて壁に居たジグガンティスを狩る。
結局、メタはこのフロアでジグガンティスを7匹狩った。ガオが17匹なので実に素晴らしい結果である。
その際にデュークも異変が起きていた。
ジグガンティスの毒を吐きかけられた時に素早く反応し避けていた。スピードが上がっていたのである。
中々良い動きだったのでレイナも驚いていた。
(コレはホンモノかもね…メタの影響も受けてるね)
レイナは自分の経験も重ねている。
テイマーはテイムした魔獣のスキルに影響を受ける事がある。レイナ自身もガオのスキルに影響されている。
「そろそろフロアボスに挨拶しようか」
「フロアボス…メタ!行くよ!」
前の扉をレイナが開けると其処には紅い大蛇が居たのである。
「ギガントレッドボア!?この低層にこんなのが居るのかい!」
レイナはこのダンジョンの異常さを改めて感じる。
だが、先に飛び出したのはメタだった。
しかしレッドボアの皮膚に衝撃が吸収される。
「デューク!メタを下げて!アタシ等が行く!」
デュークはメタを一旦下がらせる。
レイナはガオとレッドボアに襲いかかる。大きさの差を感じさせないほどの圧倒的なスピード。
白猫の紅い暴風と言われるレイナとガオの凄まじいコンビネーションにデュークは圧倒される。
しかしレッドボアも中々しぶとく応戦していた。時間がかかればレッドボアに有利になる。
デュークはその戦況を見ながらレッドボアのある弱点に気が付いた。レッドボアの口の中にあるもの…舌の付け根である。
「メタ!アレを狙って!」
メタは瞬時に理解しレッドボアがレイナとガオの攻撃を喰らった隙を見逃さずに開いた口の中にある舌の付け根にぶち当たる。
『グオオオオオ!!』
レッドボアは口の中から激しく流血し動きが止まる。
その隙を見逃さずにガオの《ユニークスキル 虎炎舞牙突》がレッドボアの眉間に炸裂、レッドボアは力を無くして倒れ込んた。
「デューク!良くやったね!」
レイナはデュークの観察眼に驚いていた。
この短期間に戦いに順応していき敵の弱点まで気が付いたのだ。
デュークがレッドボアの弱点に気が付いたのはメタの《スキル 野生の勘》と《スキル 狩人の眼》の影響に因るものである。
「凄かったです…レイナさんとガオのコンビネーション…」
デュークは本当に感激していた。今日ほどレイナの弟子で良かったと思った事は無かった。
「メタも本当に良くやったね。ご苦労さま」
メタはどんなもんだいとばかりに胸を張ってる様に見えた。
ギガントレッドボアは肉も革も骨も高い金で取引される。中でも牙は冒険者にとっては憧れの素材であり、それで造られた剣は凄まじい斬れ味を持つと言われる。
レッドボアはレイナの【キューブ】に入れた。
他のフロアボスやドロップアイテムはデュークの【キューブ】に入れてある。
ギガントレッドボアの部屋には宝箱が有ったのでそのまま持ち帰る。その場で箱を開けるのはスティールが居れば別だが危険だからやらないのだ。冒険者ギルドで解除してもらえばいい。
「さて、このダンジョンはここまでにしよう。これ以上はイヤな予感がするからね。」
レイナはこのダンジョンの危険度を計りかねていた。実際、この後ダンジョンに来た高レベル冒険者のパーティーが全滅した事を後から聞く事になる。
「レイナさん。出たら何処に行くんですか?」とデュークは聞いた。
「そうだね…ここから近い街は…おっ!そうだカーグンだな。冒険者ギルドも有るから魔獣も売りに出そう」
「カーグンって港街でしたっけ?海って大きな湖が有るって言う…」
「デュークは海を見た事ないのか?」
「はい、僕は森の奥の住んでいましたから」
「よし、じゃあ決まりだ!ダンジョンを出るよ!」
こうして初めてのダンジョンを無事出る事になったのである。
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