朝に吐く
20年代のジャズが私と夜との間に薄い膜を張ってる
酸素が薄くてしゃくり上げても誰の耳にも届かない
Fly me to the moon 私を月まで飛ばして欲しくて窓から見上げたけど、それほど近くはないようだった
祈りながら寝て祈りながら起きてる
毎秒死んでは生き返ってまた死ぬ
ローファイはあなたの好みだった
リミックスの方を先に聴いてしまったからそれほどでもなかったな
サックスの音は私の心に向いていない
影に溶けた街の方ばっかり向いている
ちくちくと私の鼓膜を刺すだけ刺してどっか行ってしまう
イヤホンの小さい穴から出る音は私にしか聞こえないのに
偽物の雨音とコオロギの鳴き声
一緒に聞こえないはずのものが心地よくて
私も、コオロギに生まれていたら
出来損ないのコオロギになって、ゴキブリとして生きていただろう
寝ながら聞いたカーラジオのノイズはレコードのそれに似てて悲しくなってくる
交通情報を淡々と伝えるその声が眠くなさそうて羨ましかった
透明だと思っていた高速道路で見るあかりが波に泳ぐ錦鯉のようで美しい
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます