だきかかえているもの
あの世に対する考え方が全く同じ人がいて、もっと好きになってしまいそうだった
でも、他の人は冷たい、とか夢がないって言っててなんとなく寂しくなったな
死に夢も温かさもないんじゃないかな
永眠って夢を見ているような響きだから、本当は見ているのかもしれないね
でも、あなたが確実に生きて、わたしのとなりで寝息を立てていてもあなたの夢を知り得ないことくらい寝ていてもわかると思ってたな
この世界が割とやってらんないことに気がついてから自分が本当にやりたいことをして人生に意味の無い意味を付ければいいんだってわかった
けど、その行為にすら意味が無いし、意志に至っては揮発性メモリなもんだから、あっという間に目に見えなくなっちゃう
かと思ったら思い出したかのようにひょっこりファイルの片隅辺りに顔を出して名前の知らない馴れ馴れしい親戚みたいに、「最近どーよ」的な感じで話しかけてくる
気持ち悪いな
あなたがあの時、死んだら無になるって言ってくれて嬉しかったんだ実は とっても それはもう飛び跳ねるくらいに
今まで会ってきた優しい人たちは、人生に意味を見い出せとか、死ぬことは遺された人に対しての裏切りだから死は悪だとか、そういう言葉で優しく時に厳しく私を引き留めようとしてくれたし、死んだらあの世があって自殺したら地の底へ行くだとか、虫1匹殺さず嘘ひとつつかなかった聖人が天高くにて長い箸を使って食事を楽しむとか教えてくれた
そういった人達は、もう死んじゃった若い子に、「生きていれば良いことがあったかも」とか、「馬鹿な選択をした」とか言って、もう無い亡骸をぐちゃぐちゃに踏みつけて唾吐きもせず、自らの「とても幸せという訳では無いけれど、自分は小さな幸せを見いだせる」生活に戻っていく
母親が小学生の男の子が殺されてしまったニュースを見て、「まだこんなにかわいいのに」っていってたの、まだ覚えてる
朝ごはんを通す喉が締まったのまで全部覚えてる
幼くなかったら死んでもいいのかなって思った かわいくなかったらどれだけでも八つ裂きにされてもいいの? 働いていない大人だったら手足をもぎとられてバラバラにされていいのかな 「未来のある若者」から外れた大人でもこどもでもお年寄りでもない人間は一気に焼き尽くされてもいいの?
死の前では平等のはずなのに、生き延びた人間がもういない人間に価値をつけて上げ下げしてそれでいて平気な顔をしてまた服なんかを着て社会に出ていくのを何年も見てきたから、あんな言葉一つで、「あっ、この人なら」って思っちゃったのかも
地獄に落ちろ、とか天国で待ってるよとかずっとずっと聞いてきたせいで
死んだら無になる だとしたらなんて素晴らしいことなんだろうねそれって
生き返ることもせず、来世に期待なんかしなくて良い、遺った人々のことなんて考えなくても良い
今まで背負ってきた苦しみの方が幸せより多かった人生すらなかったものになって許されず、責め立てられもせず静かに電磁波とかになって宇宙まで飛んでっちゃう
私がかっこつけて死にたいってほざきながら死ななかった過去と歴史も全て愛されることも貶されることも無く 全部宇宙の端っこと追いかけっこすることになるって、とっても幸せじゃないかなって思う
ありがとう 無になるっていう、あなたの言葉、その声の周波数と共に死んでいくよ
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