まだその話をするのか

やりたいこと、たぶん全部やりきらずに皆死ぬ

もう死んでもいいかななんて、絶対に思ってやらない


私が死ぬと言ったら、貴女も死ぬと言ってくれるものだから少しだけ心臓が茹だってしまった

タンパク質は変性したら戻らないのに貴女は平気でそういうことを言ってしまうんだな

目玉焼きの白身は透明には戻らないのに


夏の夜遅くなんかに彼女を呼び出しても既読すらつかない でも心配はしてくれるんだろうな

私のことが好きじゃないから優しくしてくれるんだろうな


嬉しい、でも、貴女と一緒に死ねたら、それだけだよ

一緒に死ぬだけ あの世での再会を約束されてはない

たった二年、一緒にいるだけだと思ってたけど思ったより深く染み付いてるみたい


一緒に死んでくれなくていいよ

でも貴女が死んだら私も死ぬかも

私は弱いから


昼夜逆転なんてしてないけど、貴女がしたって言ったからさせた

私がなんて返してもそこで会話は終わる運命だったんだな


死ぬ訳じゃないけど一緒に海行ってください

送る訳じゃないけど誘い文句を考えました

スリルが好きって言ってたから、これも気に入ってくれるかと思ってる


いつも淵歩いてると、いきなり手をひかれた時、目の前の、怖い位広く平坦な道に慄いてしまって足がすくんでしまうから、手を離さないで欲しい

横で私が倒れないように寄り添って欲しい

でも私は貴女が倒れそうになっても助けられない

だから一緒に倒れよう 倒れてそのままいよう


たぶん道先を臨むより空を仰いだ方がしっくりくるかもしれないから

空が曇ってても雪が降っててもじっとして


そのうち翼が生えてくるかもしれないから

そしたら貴女を抱いて雲の上まで行けるかもしれないから

着いてきてくれなくても、貴女がおきあがる手助けはできるかもしれないから


ああ、でも、貴女は独りでも立ち上がって私の事なんて見えなくなってそのまま進んでいくのかもしれない

悲しくないよ 強い貴女が見れて嬉しいから

私の翼をもいで貴女に渡すのもいいかもしれない

貴女のいない空は羽ばたいても意味が無い

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