夜に吐く

@SaNd_1863

詩集

三月は春を飛ばして夏

当たり前ながら自分が好きなものが、好きな人の好きなものとは限らない


まだ彼女に夏が好きと言えてない

私が好きな彼女は私が好きな夏が好きじゃない、たぶん


汗で布が張り付くのも、夜の海が冬より悲しい事もたぶん好きじゃないし、風鈴とラジオの共鳴も聴いたことがない

夏には無い過去を思い馳せて懐かしむこともしない

彼女は強いから


私が告白しても夏に気圧されただけ

たぶん、彼女の記憶にも残らない

私もそう思うことして、自分を守ってる

彼女が私のことを好きだと言ってくれるのは陽が出てる間だけ


私が夏が好きだと言っても、彼女は私のことを嫌うはずがない

恐らく、蜃気楼か通り水と同じくらいの存在なんだろう


彼女の好きな物は私も好き、でも、だからって私の好きな物を好きになってもらおうとはしちゃいけない


夏が嫌いになりそう

貴女が夏の終わりみたいで

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