5 教会

「へー、ドラゴン?」

 姿勢も顔色もひどく悪い、病人のような神父だった。

「大変っすね。まぁ座って」

 信じてもらうことは諦めている。とにかく守りの祝福さえ受けられればそれでいい。

「はい、じゃ始めまーす」

 ミリアムは目を閉じ、祈祷の文句に耳を澄ませた。

 滑舌が劣悪で神聖さは皆無だが、肌の周りに薄い膜のようなものが形成されていくのが感じられた。聖職者としての腕は確かなようだ。

 礼を述べて祈祷料を支払うと、神父はやる気のない声で「まいどー」と言った。


【耐久力+1】


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【攻撃力が1以上なら→目次へ】


【攻撃力が0なら↓下へ】


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「ドラゴンってマジなんすか?」

 マジだが、何か。

「いや、そんな装備でドラゴン退治って、ウケるなーと」

 使い慣れた短剣が一振り。確かに貧弱な武装だが、武器はこれから買いに行くのである。

「よかったらこいつ連れてってくださいよ」

 神父が十字を切ると、空中に天使が現れた。

 突然の召喚術に、ミリアムは目を見開いた。

「そこそこ使えると思います。ドラゴン倒してから返してくれればいいんで」

 天使は腰の剣を抜いて二、三度振り回し、野太い声で「おっしゃあ! 一丁やるかあ!」と叫んだ。

 かわいらしさは微塵もないが、頼もしくはある。


【仲間に「天使」を追加】


【→目次へ】

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