安楽と怠惰

 誕生日を迎えた。

 まだ無駄に歳を取ったと深く溜息を吐く。この一年何をやっていたかと問われれば酒を飲んだと答えるくらいしかないほど堕落していた。


 仕事も普通にやっているし話も書いている。だけど上手くいかない。違う。理想に届かない。努力が足りない。現実のまま、前に進まない。


 このまま歳だけとっていって何も変わらなかったらと思うと気持ちが悪くなる。吐き戻して汚れた床を拭いていると哀れで仕方がない。


 楽になりたい。

 過ぎるのはやはり怠惰。

 小説家を目指すにしろ正社員を目指すにしろ、もっと頑張るべきだろうに、めげて挫けて逃げるばかり。


 明日はきっと。そう思って、また歳が重なる。


 楽になりたい。

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