黒苦

 数年後の自分を考えると黒い靄に覆われるような感覚に陥る。

 何ができるわけでもない自分が歳ばかりを重ねてどうして生きていけるのか。いつも死ぬ道しかないではないかと至り、苦しい。


 何もできない。何もできないのだ。その事実が重く、痛い。何かしなければ、できるようにならなければと考えるも果たして何をすればいいのかが分からない。俺は何をしたらいいのか分からない。自分が完成する様子がまるで見えない。どんな人間なのか、未だ測れない。もしかしたら、俺はもう終わっているのかもしれない。何もできず、なれもせず、糞を放り出し惰眠を貪り酒に酔うばかりの姿が俺の全てなのかもしれない。そう考えると恐ろしい。このまま生きて死ぬのが、恐ろしい。


 毎日が苦しい。苦しい。

 何かを得たい。何かになりたい。何かを遂げたい。しかし、それができない。そのために何をすべきか、分からない。


 苦しい。

 毎日が苦しい。苦しい。

 苦しい。苦しい。

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